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2008年07月19日

「手」の型(前編) 手刀

合気道初段に昇段してまもなく一年。
 
最近、意外な落とし穴にはまってしまいました。

「手」がおかしい……いや、技そのものが、めちゃめちゃだというわけではないのです。

「今の正面打ちの手刀は、気がまっすぐ出ていて、すごくよかった」とほめられた時……その手刀は合気道のものではない。
5本の指の間を閉じ、指先が心持ち内側に湾曲した形……空手の手刀。

茶帯(上級者)の頃から、「手刀が空手(『拳と手刀(後編)』参照)」で悩んでいたのですが、初段になっても変わらない。
それどころか、手刀の動きにキレが加わって、ますます合気道ではなく空手に近くなってしまいました。
……ああ、難儀なことになった。

『ウィキペディア』(2008.7.15 15:34)によると、空手の手刀打ちとは、指を揃えて伸ばした状態で、小指側の側面で相手を打つ技。
一方、手刀の親指側で打つ「背刀打ち」は、手刀打ちとは逆方向の軌跡を描いて返し打つ。……???

その「背刀打ち」、やったことがないなあ。どんな技???
……ここは、空手四段で、大東流合気柔術(合気道の母体になった武道)二段の夫に訊いてみましょう。

リビングで、ソファベッドに寝そべっている夫に声をかけました。

「空手の背刀打ちってどんなの?」
「また、急に変なこと言い出しよって……いったい、何やねん」

けげんそうな顔の夫。

「ネットで調べてたら、普通の空手の手刀の他に、背刀打ちって、親指側で相手を打つものがあるらしいけど、どんなものか見当がつかん」
「これか?」

夫は立ち上がると、右手で手刀を作り、手の平を上に向ける形で、外向きに鋭い手刀を振り上げました。

「手刀は、拳より小回りきくからな」

手刀打ち、肘を支点に弧を描く形に体さばきを加えて、自由自在に手刀を繰り出す夫。
なるほど。刀の動きを模した手刀「正面打ち(相手の眉間を狙う)」「横面打ち(相手のこめかみを狙う)」が一般的な合気道とは、全然違います。

「ふうん。合気道とは全然違うわ」
「空手の場合、手の甲や掌をサンドバッグなんかに打ちつけて、手そのもんを鍛えんといかんねん。合気道の手刀は剣の動きやろ。……ちょっと、お前の正面打ち、見たるわ。やってみ」

私は、左手を振りかぶり、相手の眉間をイメージして、そのまままっすぐ手刀を打ち下ろす正面打ちをやってみました。
夫は難しい顔。

「……もっと、相手の足元まで斬り伏せる気でやらなあかんぞ。ちょっと気迫不足やな」
「そうかあ。それも気をつけんといかんのやな。それと、今、合気道の正面打ちが、きれいに決まった時、手刀は空手の形になってるんで、ちょっと困ってる」

「確か、合気道の手刀は、指目一杯広げる型ちゃうかったか? 大東流は朝顔型、指開くけど、小指と親指がすこし内側に入る。確かに、お前の手刀は空手やな」

「気は出てるけど、指の第二関節、平拳(『拳と手刀(前編)』参照)で人を殴る部分から出てて、合気道の教本に書いてあるように、指先から気が出てないねん。人を殴るのに平拳ばっかり使っとったからかもしれん」

大きく溜息をつく私。夫は苦笑しました。

「そんで、師範は、そのことで、なんか言うてはるんか?」
「いや、「その手刀はダメですね」とは一度も言われたことないわ」
「ほんなら、そんなに気にすることないんとちがうか。気、ちゃんと出てるねんから。稽古しとったら、そのうち、指先からも気出るようになるやろ」

夫は軽く言いましたが、 何か釈然としません。

私の子供の頃は、「喘息の子供は心が歪んでいる」という偏見がまかり通る時代。
喧嘩が絶えませんでした。
自衛のために格闘技や護身術の本を読み漁り、つぎはぎの知識で実践し続けたため、我流の困った癖が多いのです。

「人を殴る」という目的から、空手の動きを多く取り込んでいるのですが、本当は、きちんと習いたかった。
合気道をはじめてからは、我流の癖が、かなり矯正されてはきたのですが。(『合気道へ(中編)』参照)

なるべく、指を広げて手刀を打つように心がけてみますが……果たして、指先から気が出るようになるのでしょうか?

実は、さらに、もう一つ、最近私を悩ませる奇妙な手の癖があるのです。

……次回に続く……
タグ:合気道 空手
posted by ゆか at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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