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2008年07月26日

『国富ファンド・ウォーズ』

国富ファンド……投信信託などで、おなじみの「ソブリン(国の富)」のことだ。

『アラブの大富豪』を読んだ時に、中東産油国が、原油の富を元手に、さらに国の富を増やそうと、積極的に海外に投資しはじめたことを知った。

日本はどうなっているのだろう?

著者は日本政策投資銀行調査部課長。
日本開発銀行勤務時代から世界中を渡り歩いた人。

国富ファンドは、オイルマネーや外貨準備などを元手に、国民資産を増やす目的で作られた政府系金融機関。
現在、世界39カ国、42機関。
石油の豊富な中東諸国、鉱物資源の多いアフリカ諸国などに偏っている。

その資産規模は2.5兆ドル。
フランスのGDP(2.2兆ドル)を上回り、ヘッジファンドの資産規模(1.5兆ドル)を上回っている。

恐ろしいことに、これらの機関は、資金が自前で情報開示する必要がほとんどなく、市場経済の一般的なルールとは関係なく、自国の政治的意思を反映して行動する。

最近では、積極的に外国企業の買収をしているので、日本では炭素繊維、特殊鋼、チタニウム、産業用ロボット、工作機械、光学レンズ、カメラ、電池、光ファイバーケーブルなど、軍事産業に技術転換できる企業買収を事前届出制にして、買収に制限をかけている。

読んでいるうちに、だんだんイライラしてきた。
……外国の国富ファンドに防戦一方。
資源が少なく、今後人口が減少する日本は、なんで、国富ファンドをやらんのやっ!!

国際金融の安定化をはかる先進7カ国蔵相中央銀行会議のメンバーで、大量の米国債権を保有している日本が、それを売却して、国富ファンドを創設して積極運用をはじめれば、国際金融市場の屋台骨を揺るがしかねないらしい。

しかし、国富ファンドは設立できなくても、多過ぎる外貨準備金の一部を積極運営したり、中東諸国に投資したり、国富ファンドの資金を受け入れて国の企業を成長させることはできる。
とにかくがんばってほしい。

『国富ファンド・ウォーズ』 小森正彦 著 東洋経済新報社
タグ:投資
posted by ゆか at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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