表紙には、そんなキャッチフレーズがある。
著者はノンフィクションライター。
日頃目にする焼きイモ屋、お笑い芸人やカイロプラクター。
「存在している」と言われると「なるほど」と思う口紅調合師、タバコブレンダーや古典人形師。
「そんな職業があるの?」と驚く、ゴキブリ駆除研究者や霊柩車製作者、エンバーマー(死化粧師)……。
この本では、38職種の天職、「仕事に選ばれたひとたち」を紹介している。
『いつの間にかのめりこみ、その仕事が面白くてしょうがないひとたちばかり』だそうだが。
私が「天職」という言葉に違和感を持つようになったのは、10年前。
義母の介護が一段落して、さて復職……と思った頃。
その当時、どこの職場もパソコンが急速に浸透し、「経理事務」は帳簿形式からパソコン入力方式になり、「パソコンが自動的に処理するから、経理は不要になる」と言われていた。
(10年後の現在も実現していないが)
迷った末、私は四柱推命の占い師のもとへ。
経験上「運」というものは確かに存在するからだ。
名前と生年月日だけ告げて「仕事を探していますが何が向いていますか?」とだけ尋ねた。
「確かに、経理は向いてるよ。それ以外の仕事でも実績を出せる人だ。元々、人は向き不向きがあっても、「この仕事しかできない」というもんじゃないからね。だけど、あんたの天命は「書くこと」だ。天職なんて甘いもんじゃない」
……かなり驚いた。
その時、「天命だけで食べていくには時間がかかるよ」とも言われた。
私は結局、義母への仕送りなどの安定収入を得るため、現在の職場を「生業」として、執筆を「天命」とする日常を過ごしている。
「生業」は得意分野で職場でも評価されているし、「天命」は、あまり儲からないものの評価は高い。
「天職」につけない者は「人生の敗北者」なのか?
本の中で楽しげに語っている「仕事に選ばれたひとたち」の姿は、私に疑問を突きつける。
『世界は仕事で満ちている』 降旗学 著 日経BP社
ラベル:天職
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