日本の工業製品は欧米の後を追って発展してきたイメージがあるが、そうではないらしい。
「未来を切り拓く創造、メイド・イン・ジャパンの誇り」をテーマに、2006年4月にスタートした日本テレビの情報番組『未来創造堂』。
この本は、紹介された100人を越える「モノ創り」たちの技術開発秘話の中から、12人を取り上げ、追加取材したもの。
ライト兄弟よりも先に飛行原理を発見した二宮忠八。
自らの目を実験台してコンタクトレンズを作った眼科医、水谷豊。
ファックスの鮮明な画像の電送技術を実用化した丹羽保次郎。
今はチェスと並んで世界的に普及したボードゲーム「オセロ」の発明者、長谷川五郎。
当時新素材だったアクリルで、水族館の巨大水槽を作ることに全力をかけた公務員、杉浦宏。
それまでの包丁の常識を覆し、鋼の和包丁に負けない切れ味のステンレス一体型包丁「GLOBAL」を作りあげた渡辺勇蔵。
軍事技術だった独立気泡スポンジを転用し、「ビーチサンダル」を世界的にヒットさせた生田庄太郎。
「毛糸をセットすると自動的にニット製品ができる」全自動無縫製ニット横編機を発明した島正博。
……世界に誇るべき発明をした人々は、いずれも何度も失敗をしては迷い、自分の原点に立ち戻って考え込み、再び創意工夫を凝らして技術開発に挑んでいる。
この本に登場する技術者12人全員が、すさまじい執念で自分の理想を追い求めている姿を見ると、思わず自分の至らなさを反省してしまう。
『多くの人ができるとかできぬとか申しますが、できぬと断定できるのは神様だけであります。進歩を義務づけられている人間の辞典には、不可能という言葉はありえないと考えます』
……文中の本田宗一郎氏の言葉は、すべての「挑戦者」に勇気を与える。
『未来創造堂 未来を切り拓いたモノ創り』 日本テレビ放送網株式会社
ラベル:発明
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