気の早い人なら、9月に買ってしまう来年の手帳。
11月になるまで待ったのは、システム手帳リフィルを、毎年この時期に発売される、この本を参考に選んでみたかったからなのです。
今年の特集は『愛しの手帳選び』。
ほぼ日手帳の発明者・糸井重里さんのインタビューにはじまり、今年の手帳メーカー各社の新製品情報、手帳やノートを楽しく使いこなすテクニックなども満載。
まずは『システム手帳の基本と選び方』。
システム手帳は「外見」の革表紙とリング金具でできたバインダーと、「中身」の紙リフィルに分かれます。
まず、バインダーと用紙のサイズを決め、リングの直径を決める。
ここで、はさめるリフィルの枚数が決まります。
それから、デザインと表紙の素材。
ポケットの構造やベルトの長さに注意。
そして、好みのリフィルを選ぶ……と。
しまった!
何も考えずに手帳を買ってしまった。(『システム手帳と私』参照)。
それが、たぶん今は廃盤になっている、鮮やかなコバルトブルーでミニ6つ穴サイズ、ファイロファックスの「リオ」だと知ったのは、ごく最近のこと。
気に入って使っているから、いいようなものの……。
これから、システム手帳を選ばれる方は、じっくり検討してから買ってください。
なにしろ、長持ちするものですから。
『インクとの相性がよい用紙の選び方』も。
チェック項目は「手ざわり」「紙のコシ」。「書き味」「紙の色とインクの色の相性」。
「乾ききらないインクが重ねた紙につく裏移り」
「書いた文字が裏側に透けて見える裏写り」
「インクのにじみ」
……これは紙の吸水性の問題もあるけれど、筆記具のインクの質の問題もあるので、愛用のペンで、実際に紙に字を書いて試してみること。
……うーむ。そこまで真剣に考えたことはなかったな。
試し書きさせてくれる店も、ほとんどないし。
さらに『綴じ込み付録・新ノックスブレイン 特製リフィルサンプル』。
ついに現われたか。
トモエリバーの対抗馬!
『謎の手帳用紙、トモエリバー』でご紹介した通り、最も軽く薄く、裏にじみしにくい手帳に最適な紙、「トモエリバー」を使っているのは、綴じ手帳では、ほぼ日手帳。
システム手帳リフィルでは、レイメイ藤井の「ダ・ヴィンチ」。
2008年はダ・ヴィンチのリフィルを使っているのですが……。
同じ見開き1ヶ月カレンダーリフィルと、見開き2週間のダイアリーで、なんと厚みは他社製品の3分の2。
システム手帳は綴じ手帳よりかさばるので、軽くて薄いリフィル用紙は重宝します。
巴川製紙所が作る「トモエリバー」は、本来はカタログ用に開発された軽量紙。
なぜ、手帳メーカー自身が、システム手帳用紙を開発しないのか、不思議に思っていたのですが、とうとう現われましたか。
ノックスブレインは、「デザインフィル」のブランド。
この会社の前身「ミドリ」は紙製品を得意とするメーカー。
現在、デザインフィルは個人向けの楽しいデザインの文具「ミドリ」。
ビジネスマン向けのクールなデザインの文具「KNOX」の二つのブランドを展開。
1960年代に手帳専用に開発された、にじみにくくインクが裏抜けしない紙「MD(ミドリダイアリー用紙)。
この自社生産の手帳用紙を使ったリング式、樹脂の表紙の「ビジネスダイアリー」は大ヒット。
1985年、初めて作られた国産のシステム手帳が「KNOXBRAIN」。
さらに、ビジネスダイアリーの新シリーズ「プロフェッショナル」が1989年に登場。
かわいい犬や猫、草花など、女性向けのシステム手帳リフィルも充実していて、私も何年か使ったことがあります。
その「ミドリ」……2007年に社名変更して、ますますデザインに力をいれる「デザインフィル」が、今年「ノックスブレイン」シリーズのシステム手帳、リフィルのデザインを一新。
このリフィルに使われているのが、新開発の「薄く柔らかく、裏抜けしない紙DP(デザインフィル・ポケットブック)用紙」。
これが『NOTE & DIARY Style Book』の付録についていたのです。
表は薄いグレーの2ミリ方眼地に、2008年11月のカレンダーを印刷。
裏は無地に薄いグレーで、獏のマークと「knoxbrain」のロゴが印刷された紙。
『切り離して、書き心地をお試しください』……自信満々のノックスブレイン。
こうなると、つい「その挑戦、受けたるわい!」の心境になって、さっそく雑誌から「DP用紙」を切り離しました。
手持ちの「トモエリバー」、ダ・ヴィンチの手帳リフィルとで「手帳用紙対決」です。
まず、色。
やや青みを帯びたDP用紙と薄いクリーム色のトモエリバー。
私はブルーの油性ボールペン派なので、クリーム色の方が柔らかい感じがして好き。
次に厚み。
DP用紙はトモエリバーより薄く、しかも硬い。
トレーシングペーパーに近い質感。
でも、なめらかで字を書きやすそうな紙です。
では、筆記対決。
水性ペン代表「コピック・マルチライナー(『極細ペンの世界』参照)」。
油性ボールペン代表「パイロット・キャバリアー」。
水性顔料の蛍光ペン「ゼブラ・OPTEX CARE」と油性顔料マーキングペン「パイロット・なまえペン」も参戦。
判定。
書き味そのものは双方申し分なし。では、
裏返して裏写りをチェック。
DP用紙はコピックと蛍光ペンは問題ないですが、ボールペンは線のラインが写ってしまい、油性ペンも裏抜けしそうで心配。
トモエリバーの方は、コピックと蛍光ペン、ボールペンは問題なし。
油性ペンだけが、ちょっと裏写りしています。
私は筆圧が高いので、DP用紙にボールペン跡が残ってしまいましたが、普通の筆圧の方なら、そう気にならないんじゃないでしょうか。
たぶん、万年筆も大丈夫でしょう。
新ノックスブレインのリフィルは、大人っぽくてエレガント。
女性が使ってもおかしくないデザインなので、ぜひ売場で実物を見てみたいですね。
筆圧が高い私は、実用面から、またトモエリバーを選んでしまうかもしれませんが。
さあ、いよいよ手帳を買いに行きましょうか。
ラベル:システム手帳
高橋手帳の紙が気に入ってます。
トモエリバーは未体験です。
MDはノート買ってみようかなって思ってます。
DPの実験結果ですが、万年筆は問題なかったですよ。
詳細はTBにて(笑)