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2008年11月22日

アイ・アム・ア・レフティ?

先日、ちょっとした事故がありました。
 

台所で料理中、初めて使った野菜千切り器で、ニンジンと一緒に、自分の左手の親指をスパッと……。

一瞬、自分の指先がなくなったような感覚。
まな板の上の赤いニンジンとピンク色の指の肉片。
次の瞬間、台所の床にしたたる鮮血……。

私は親指が動かして、その痛みから、傷が骨まで達していないことを確認。
時計を見ると午後8時過ぎ。
病院は閉まっている。

……しょうがない。自分でなんとかするか。

消毒液つきの脱脂綿を傷口に当てました。
親指の根元を輪ゴムでしばり、タオルを巻きつけ、手を上げて心臓より傷口を高く。
傷口が低ければ、血は止まらないからです。

左手を上げたままで、とりあえず、右手だけで料理を仕上げました。
まだ血が止まらないので、血に染まったタオルを交換。

左手を上げたまま晩御飯を食べ……出血は、やや衰えましたが、完全には止まっていない。
ここで再びタオル交換。

夫に「手を切ったので、包帯や薬を買って帰ってほしい」との携帯メールを右手で打って送信。

左手を上げ続けるのに疲れてきたので、カーテンレールから紐を使って左手をつるし、そのままベッドで仮眠すること1時間。
ようやく血は止まりました。

帰宅した夫は、「お前も利き手をやられたか。俺もや」と自分の手を見せました。
右手の親指に5ミリほど切り傷。
夫の場合、爪が邪魔になって、その程度の傷ですみましたが、私は指の腹の部分を2センチほど、まともに削いでしまって重傷です。

輪ゴムをはずして、夫に包帯を巻きなおしてもらって、翌朝病院へ。

「うちは救急病院だから、24時間やってるよ。救急車で来ればよかったのに」と医者に叱られ、「この傷で、よく自力で止血できたもんだ。しかし、脱脂綿はいかんよ。繊維が傷口にひっついてる」と呆れられました。

全治2週間。

……というわけで、この一週間ほど、左手の親指を、包帯でぐるぐる巻きにされた状態で暮らしています。

今のところ、時計(利き手でない右にしている)をはめる時や、物を「つまむ」動作以外、それほど不便でもないようです。
幸か不幸か私は、「箸と鉛筆を右に矯正された左利き」だったので。

箸と鉛筆、そして、ハサミや電卓も、なぜか右ですが、あとは左手。
その利き手の左でニンジンを持っていてケガをしたのです。
もし、私が100%左利き、または100%の右利きで同じケガをしたら、もっと不便なことになっていたでしょう。

左利き……全人口の10%程度いるそうですが、なぜ右利きと左利きの人がいるのかは、いまだに謎。
原因はともかく、「利き手が右でない」ことで不便を強いられている人々です。

『ウィキペディア(2008.11.20 20:54)』によると、多くの機械は右利き仕様。

例えばエレベーターのボタン、パソコンのテンキーやエンターキー、カメラのシャッターボタンなどは機械の右側についていますし、電話機は、右手でプッシュボタンを操作したり、メモをとったりするために、受話器を左手で持つように配置されています。

日用品にも右利き仕様のものが多い。
かみそり、包丁などの刃。
急須の注ぎ口。
右手で線を引きやすいように、左から右へ振られている定規の目盛りなど。

しかも、単に生活が不便なだけではありません。
長い間、左利きの人への社会的偏見も強く、そのため、左利きの子供を無理矢理右利きにする親も多かったのです。

私も、子供の頃、左手で鉛筆を持っては母に厳しく叱られ、ひどい時には竹の物差しでピシリとやられました。
右手で箸を持って一つずつ煮豆をつまむ訓練もつらかった。

mixiにも、矯正された左利きの人が集まるコミュニティ(掲示板)があり、にぎわっていますが、子供の頃に私と同じ体験をした人が多く、それぞれに心の傷を背負っています。
親が右利きだと、あらゆる動作を右手(利き手でない手)でするように強いられるので、特につらいらしい。

ただ、例外は運動神経がいい子供。
スポーツの世界では、左利きは「レフティ(Lefty)」と呼ばれ、試合で有利。
野球やサッカーが得意な子供は、矯正されることが少なかったようです。

現在では「左利きは個性」という親もいて、矯正されずに育てられた左利きの若者と、時々出会うようになりました。
ちょっとうらやましい。

『左利きポータルジャパン』サイトには、興味深いアンケート結果が発表されています。

「左利きの子供の字と箸はどちらで教えたい?」

字も箸も左でよい左利きの親が56%。
字は右で箸は左でよい左利きの親が15%。
字は左で箸は右にしたい左利きの親が3%。
字も箸も右にしたい左利きの親が9%。

字も箸も左でよい右利きの親が8%。
字は右で箸は左でよい右利きの親が3%。
字は左で箸は右にしたい右利きの親が0%。
字も箸も右がよい右利きの親が1%。

アンケートの締め切りは2008年12月31日なので、まだ最終結果でなく、「左利き」のサイトなので、左利きの回答者が多いですが。

字だけ右にしたい親が多いのは、日本の文字は止め、はねなどが右手で書くよう想定されていること。
それに、横書きの字は左から右に書くので、左手では書きにくいからです。

実は、私の母も、母の母(祖母)も、「箸と鉛筆だけ矯正された左利き」でした。

母は「鉛筆と箸だけは、右にしとかんと、社会に出て苦労するからな」と、箸と鉛筆だけは矯正しましたが、あとは何も言いませんでした。
そのため、「物を取る」「投げる」などの動作は、いまだに左のまま。

たまに、「もしかして左利きですか?」と、人に言われることがあります。
「でも、右手で字を書いてましたよね」と、相手は首をひねる。

「子供の頃に、鉛筆と箸だけ右になおされました」と言うと、時々「今も左で字が書けますか?」と尋ねる人もいます。
「ひらがなと自分の名前程度は」と答えると、「すごい! 両利きなんですね」と感心されて複雑な気分。

確かに、左手で字を書けるし箸も使えるけれど、右手ほど器用に動かせないですから。
「両利き」とは違うと思う。

そんな中途半端な状態で数十年過ごしてきましたが、ある時、突然「自分は左利き」と思い知らされることに。

……それは合気道。

武道の剣の構えは右が基本。
「では構えて」と言われて、無意識に左で構えて叱られる……今も時々失敗しています。
修練を続ければ、右利きの人と同じように動けるのかもしれませんが、道は険しそう。

ところで、最近は、ユニバーサルデザインの視点から、左利きの人にも使いやすい道具も売り出されてきました。
左右両開きの冷蔵庫、左利き用マウス、左利き用ハサミ、券投入口が左に5度向いた阪急電鉄の自動改札など……。

左利きでも、まったく不便なく過ごせる社会の到来は、意外と近いのかもしれません。
タグ:左利き
posted by ゆか at 11:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ケガのほうは大丈夫ですか? 当方も昔、鱈場蟹の足に切れ目を入れているときに蟹の足の野郎がゴロリと転がりやがったせいで、左の人差し指を7mmほど短くしそうになりました。幸い爪のお陰で大事には至らずに済みましたが、いまでも3分の1くらいのとこまで切れ目を入れたような傷が残っています。

 妙なところに食いつき?ます。
 サッカーのレフティは、まあ日常生活には関係ないですかね。
 野球のレフティという呼称は、なぜかピッチャー限定のイメージです。昔はサウスポーって言った気がします。これもなぜかピッチャー限定。「わーたしピンクのサウスポー」ってヤツです。たぶんバッターにも言うんでしょうね。
 ルール上(1塁に近い)左バッターのほうが有利なので、右利きの子供でも左打者に育てるケースが増えているそうです。たしかイチローもそうです。
 それとは別に、バッティングで重要なのは逆の腕のはずです(右打者なら左腕のほうが重要)。その意味では右投げ左打ちは理にかなっています。
 スポーツは原則左利きのほうが有利、と聞きます。単純に、相手が左利きとの対戦に慣れていないため。唯一の例外はゴルフ(スポーツなのか?)でしょうか。これは用具の問題です。

 武道の話。
 剣道は真剣を左腰に差すのが基本なので右利きのイメージですが、実際に重要なのは左腕(ある意味、バッティングと同様)。極端なことを言うと、右腕は支えているだけ。片手面などは左腕で打つはずです。
 空手、ボクシングなどは、サウスポーのほうが有利(相手が左利きとの対戦に慣れていないため)。
 正確な統計をとったわけではありませんが、柔道は左利きの割合が高い気がします。
 相撲(武道か?)は、利き手の話とはちょっと離れる気がします。たとえば右利きの場合、上手が右のほうが力を出しやすいと考えるか、下手が右のほうが差しやすいと考えるか。これは微妙です。
 ちなみに、あまり知られてませんがプロレス(スポーツなのか?)のロックアップ(最初の組み合い)は左腕(だったと思います)を首に回すという暗黙のルールがあるそうです。ヘッドロックをするのも必ず左腕なんだとか。理由までは知りません。

 くだらん話で長々と失礼しました。≦(._.)≧
Posted by tobirisu at 2008年11月22日 16:31
うわぁ〜・・・

冒頭の数行で先に読み進めなくなってしまいました ><(←痛い話と思いが大の苦手)

とにもかくにもお大事になさって下さい。
Posted by プチパンチ at 2008年11月24日 09:35
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