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2009年01月24日

『バイオメトリクスのおはなし』

以前読んだ『「声」の秘密』に、非常に気になる話が書かれていた。

「音声のデジタル合成技術が進むと本人確認方法の「声紋」は無効になる」……。

電子ネットワークの発達で、個人情報の重要性が増してきた現在。
ユーザーの「所有ID」「記憶(暗証番号など)」、そして、「固有の特徴(生体認証)」の3つをワンセットにして「本人確認」を行うのが、世界的な潮流だ。

バイオメトリクス(生体認証)は、古代バビロニア時代から「本人の証」として使われていた指紋。
筆跡、顔写真、声紋。
銀行ATMなどで普及した指や掌などの静脈血管。
研究が進んでいる虹彩、網膜などがある。

この本は、1976年から続いている「おはなし科学・技術シリーズ」の一冊。
一般人のために、技術者たちが最前線の科学技術をわかりやすく解説。
図表やイラストも豊富。
「もっと勉強したい人のために」と、参考文献も多数あげていて、とても親切な技術書だ。

生体認証のしくみは、本人が提示した指紋や静脈血管をデジタル信号化。
認証を登録したデータベースへ転送。
照合して本人に通知。

一瞬で、実に複雑な処理をしているのだ。

生体認証に使われるものは、「誰もが持っていること」「本人以外は同じ特徴を持たないこと」「時間の経過とともに変化しないこと」。

この3条件が必要だが、「偽造可能な筆跡」「風邪をひくと変わる声」「太ると読み取りにくい静脈血管」「手指が欠損していると使えない指紋」など、3条件を完全に満たす生体認証法は、今のところ、ない。

そこで、誤認証を防ぐために、複数の生体認証を組み合わせて使う方法が現在検討されているが、認証精度を高め、誤作動を防ぐ技術が必要。

病歴などのプライバシーの保護、情報漏洩の防止。
ユーザーの心理的負担、運用コスト。
国際標準化など、生体認証がインフラとして普及するには、問題が山積みだが……。

私たちは、もう後戻りできない。

『バイオメトリクスのおはなし』 小松尚久・内田薫・池野修一・坂野鋭 著 日本規格協会
タグ:認証
posted by ゆか at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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