……いつもコメントをいただいているtobirisuさんから、質問メッセージが届きました。
通勤やアフターファイブは、足によくないけれども、おしゃれなハイヒール。
職場では歩きやすい靴に履きかえることが、今や働く女性の間では一般的で。
「働く女性の靴」として推奨されているのが、ウォーキングパンプス、ウォーキングサンダルと呼ばれるもの。
特に働く女性の顧客が多い通販会社の千趣会。
春の靴カタログは、「座り仕事用むくみ対策サンダル」「立ち仕事用パンプス」「外回り営業用パンプス」など、豊富な品揃え。
さらに、通勤用のランニングパンプス、自転車通勤用パンプスまで開発。
職場で男性が履きかえるための、一見ビジネスシューズに見えて、足が楽なビジネススリッパまで登場。
私の職場では、出勤後、スニーカーに履きかえて仕事する男性も多く、「仕事靴」は、いずれ男女共通の話題になっていくかもしれません。
『ワーキング・シューズ!』にコメントをいただいた、植田さんのご指摘の通り、昔から「歩きやすい仕事靴」として定評があるのが、女性看護士さんたちが愛用するナースシューズ。
これも悪くないんですが……私の足が、もう少し小さかったらなあ。
なにしろ「標準的日本男性の足、25の2E」の持ち主ですからね。
さて、先日、職場専用靴を手に入れた私。
「足長と足囲は合ってますが、足裏は合ってませんから、いずれ支障が出るでしょう」という、シューフィッターの不吉な予言を聞き流しつつ、靴だけ買ってきました。
靴選びだけで2時間近くかかってしまったし。
その上、オリジナル中敷の製作時間が1時間かかり、費用が一足1万円以上するなんて。
新調したニューバランスの仕事靴で、はりきって仕事をはじめた私ですが……。
3時間後。
左足の小指が痛む。
右足はなんともないのに。
靴紐をゆるめてみても、時間がたつにつれて痛みがひどくなる。
左足がむくんで靴が窮屈になってきたみたい。
シューフィッターの忠告を無視したバチは、靴を履いた初日に当たりました。
痛む左足を、ひきずるようにして仕事を続け……その日をなんとか乗り切りましたが。
どうやら、ニューバランスの靴についていた中敷、分厚いカップインソールが原因らしい。
帰宅途中に、安物の薄い発砲ゴム製の中敷を買って、交換。
翌日からは、左足の痛みは消えましたが……中敷が薄くなった分、今度は右足が靴の中で泳ぐ。
私は左足が右足より大きいので、どちらに合わせても、うまくいかないのです。
この状態で、1週間過ごしてみましたが。
……もし、これがオーダー中敷だったら、どんな感じなんだろう。
どうしても、それが気になってしまいます。
「足型をとって、完全に足裏にフィットした中敷を作る」と、シューフィッターは言ってました。
今回、中敷を作って、それを元に、安い中敷を自分で加工して、他の靴に入れれば……他の靴も歩きやすくなる。
そうなると、最初の中敷作り、1万円は高くないかも。
そこで、私は再び「靴の中敷とウォーキングシューズ専門店」へ。
「あっ、やっぱり来られましたか」と、苦笑するシューフィッター。
「左足の小指側がきつい」と訴えると、ストレッチャーで伸ばしてくれましたが……それでもきつい。
「ちょっと歩いてみてください」
今度は、女性のウォーキングアドバイザーと一緒に、狭い通路を歩いて往復。
「左足を踏み出す時に、やや外に重心がかかるのが、負担の原因の一つでしょう。やはり、歩き方の癖や、重心を踵側に矯正するために、中敷製作をお勧めします。ただし、中敷を入れて、しばらく違和感があります。長年の歩き方の癖を直すのですから。今まで、使っていなかった足の筋肉を使って、筋肉痛になることもありますが、3ヶ月程度我慢していただくと、膝や腰に負担の少ない正しい歩き方になります」
実は、この靴を履きはじめて3日間、太股とふくらはぎの外側が筋肉痛に。
でも、その後、足の重心が足先から踵の方に、少しだけ寄ってきたのは感じていました。
では、いよいよ中敷作り。
3層の異なる低反発素材でできた「コンフォマーブル」という中敷が素材。
ゴルフ用、ウォーキング用、ランニング用、ハイキング用と、色々な種類がありますが、一番薄いウォーキング用のものが選ばれました。
まず、中敷素材をオーブンで100度に加熱。
はだしになった私は、手すりのついた足型取り器具へ。
低反発素材でできた足型の上に、温めて柔らかくなった中敷を置き、その上に立ちます。
暖かい程度で熱くありません。
手すりにつかまり、膝を正しい立ち位置に固定された状態で3分。
これで足型取りは終了。
あとは靴に合わせて、中敷の先を切ったり削ったりして、オリジナル中敷が完成。
履いてみると、安定はしていますが、土踏まずを押し返される不思議な感触。
この中敷は、均等な厚みでできているカップインソールと比べて、足先部分が薄く作られています。
足裏と土踏まずの高低差は左足2.1センチ。
右足2.2センチ。
なるほど。今まで、サイズが合っても、土踏まずがフィットしなかったわけだ。
「今まで靴底と土踏まずの間に、大きな隙間があったと思います。今度の中敷は、お客様の足裏の形に、ぴったり合っていますから、逆に、違和感があるかもしれません」
そして、簡単な歩行訓練と、靴の履き方の指導。
10メートル先を見て、ちょっと足の指をそらせる感じで踏み出すと、姿勢がよくなる。
靴は、脱ぐ時に、靴紐をほどく。
履く時は、靴の中で指が動かせる程度に足先に余裕を与えて紐を締める。
踵をトントンと地面に叩きつけ、足を靴の踵側に寄せ、きつめに足首の紐を結んで完成。
今まで、つま先側でトントンやっていたので、反省。
ちなみに、中敷の寿命は毎日履いて2年。
こうなってくると、「靴屋で足が楽な仕事靴を探す」じゃなくて、「健康のため、歩行の癖を矯正する努力と忍耐の歩行靴道」。
いやはや、こんなことになるとは思わなかった。
この店の顧客は、膝や踵に問題を抱えた人で、私のように「大足だけど足そのものは健康」の来店者は、珍しいとのこと。
「歩き方の矯正は、3ヶ月程度かかりますが、10年、20年先のことを考えると、今、矯正されておく方がいいですよ」
……とは言われたものの。
この先10年も生きてないだろうから、「歩いて痛くない靴」なら、それでいいや。
まあ、とりあえず、3ヶ月後の「正しい姿勢と重心で歩く私」を楽しみに、仕事に励んでみましょう。
ラベル:ウォーキングシューズ
「看護師」です。
「看護士」は、女性名詞の「看護婦」に対応する言葉として使われていた言葉のはずです。
「保母」さんに対応する「保父」さんみたいなものと考えています。
現在は「看護士」と「看護婦」をひっくるめて「看護師」と書くのが一般的です。
ところが、ネットなどでは「看護士」のほうが優勢です。これは漢字変換ツールの不備が原因と思われます。
Macintoshのことえりは「看護士」があって「看護師」はありません。
WindowsのMS-IMEも少し前まで同様だったと聞きました。いまはどうなっているのでしょう。
ところで、「保母」さんと「保父」さんをひっくるめて、なんて呼ぶのでしょう。
機会があれば、専門家のアドバイスを受けて、自分の癖を確認してみたいなと思いました。