最近、盛り上がっているのが「消しゴムを使いきる」。
消しゴムは、使っているうちに小さくなっていきますが……。
「使える限界のサイズはどのくらい?」
「小さくなった消しゴムの再利用はどうしてますか?」のお話。
まず、使える限界のサイズは……「1センチ角まで」「指でつまめるまで」が多いですね。
そういえば、私。
小さくなった消しゴムって、どうしてたっけ?
1.5センチぐらいになった頃に「消失」してるような気がする。
捨てた記憶が全然ないのになあ。
この「消しゴムを使いきる」のトピックの中に、「いつのまにかなくなります」という書き込みがいくつかあるので、私だけじゃないんだ……と、ちょっと安心。
小さくなった消しゴムの再利用は……
「切って鉛筆補助軸に差し込む」
「練り消しゴムに、小さくなった消しゴムを練り込む」
「シャープペンシル用消しゴムに」
……なるほど。みんな工夫していますね。
「いつのまにか消失」させてばかりいる私は、ちょっと反省。
さて、その書き込みの中に興味深い提案がありました。
「小さくなった消しゴムを字消し板で使われては」。
銀色のカード状の文具の写真が、一緒に載っています。
あっ、夫の持ってる謎の文具やんか。
夫はCAD講師で、設計のための製図用具を持っています。
三角スケールだの烏口だの雲形定規だの奇妙な形の文具で、私には使い方がわからない。
以前、マジックを探そうとして、夫の筆箱を空けたことがありますが。
製図用シャープペンや極細ペン、消しゴムなどと一緒に入っていたのが、この字消し板。
カードほどの大きさ。
銀色のステンレスの枠の中はメッシュになっていて、大きさの違う丸や四角、菱形、幅2ミリほどの極細の長方形、細いカマボコ型など……さまざまな形の穴が開いた非常に薄い板。
「このペラペラした穴あきカードは何?」
「字消し板。図面の間違ったとこに消しゴムをかける道具や」
「消しゴムをかける道具?」
「そうや。図面の細かいとこで、消したいとこだけ消せるんや。……まあ、お前みたいな、がさつなやつには使えん道具やな」
夫に笑われたので、すごく悔しかった。
ちなみに、アートやデザインの道具の使い方や技法を紹介する『武蔵野美術大学造形学部通信教育課程』サイトには、字消し板の使い方の解説があります。
「まず消したい箇所に、それと同じ形の消し板の穴を当てる」
「上から消しゴムをかける」
「一度で消せない大きさの場合、少しずつずらして使う。字消し板が動かないように注意」
「字消し板の縁で手を切らないよう注意」
……うーむ。結構細かい作業やな。
悔しいけど、緻密な作業の苦手な私には、使いこなせなさそう。
消しゴムをかける時に、字消し板を使うメリットは、
「ペンタイプの消しゴムよりも、さらに細かく、修正が必要なところだけ消せること」
「字消し板で紙を押さえているので、消しゴムをかけても紙がシワにならないこと」。
夫の愛用の字消し板は、VANCO。
幅1ミリ以下の直線さえ、ピンポイントで消せる高性能なもの。
消したい場所に合わせられる20種類の穴があり、紙の上に置いても図面が見えるメッシュ状。
板をつまんで動かしやすいように突起もついた親切設計。
525円ですが、もっと安いメッシュでないものや、プラスチックの字消し板も出回っています。
調べてみると、建築設計やデザインなど、精密な図面を描く仕事をする人々の絶大な信頼を得ているのは、VANCOのほか、ドラパスやウチダといったような、耳慣れない名前の製図用具メーカー。
一般人には使い方がわからないユニークな形状の用具が多く、製図の世界の広くて深い海を垣間見たような気がします。
恐るべし。図面業界。
確かに、コミュニティの書き込みの通り、字消し板は、そんなに高くないし、指先でつまめる程度に小さくなった消しゴムも使える。
製図界の人でなくても、便利に使える道具だと思いますよ。
……大雑把な私には向かないけれど。
ラベル:消しゴム