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2009年06月09日

Gマークの転換

いよいよ、2009年のグッドデザイン賞の応募締め切りが6月10日に迫りました。

 
去年、大幅に選考ルールが変わったグッドデザイン賞ですが、今年も、なにやら変化が。

まず、賞の種類。
大賞と金賞がある「グッドデザイン賞」。
「ロングライフデザイン賞」。
新しくできた「フロンティアデザイン賞」。  

「特別賞」は……。

地球環境問題を踏まえ持続可能な社会の実現をめざすものに贈られる「サステナブルデザイン賞」。
「新日本様式」の精神を受け継いだ「ライフスケープデザイン賞」。
中小企業の受賞対象から選ばれる「中小企業庁長官賞」。
豊かな国民生活の実現、地域経済の活性化、社会一般の福祉の増進など、経済・社会の発展に寄与するものに与えられる「日本商工会議所会頭賞」。

……去年と大体同じ。

去年、「身体・生活領域」「産業・社会領域」「移動・ネットワーク領域」、実験的試みを評価する「新領域」の4つの領域編成だった部門賞は……。
「身体領域」「生活領域」「仕事領域」「社会領域」「ネットワーク領域」に変更。

70人ほどの審査員が、それぞれの得意領域のデザイン審査を迅速できるようにするのが、狙いかな?

注目は新設の「フロンティアデザイン賞」。
去年「新領域」とされていた部門を独立させたものでしょうが……。

『グッドデザイン賞』サイトによると、

『フロンティアデザイン賞は、近未来の生活を示唆する「まだ実現されていないものごと」を、持続可能な社会の実現という視点から評価し、推奨することによって、私達の明日を考える契機を提供します』

応募対象は「近未来の生活を示唆する提案で、受賞結果発表日(2009年10月1日)の時点では未だ実現されていないものごと」
……これは面白そう。

具体的な受賞対象は、

『近未来における「もの」や「サービス」のあり方を描きだすデザイン提案』
『今日的課題の根本的な解決を予感させる技術開発や実験』
『新たな社会システムの構築をめざす構想や実験的プロジェクト』

……なかなか楽しみな内容ですね。

昨年のグッドデザイン賞は、『リノベーション(古いものに新しい価値をつけること)』でしたが、今年は前衛的なものが登場するかもしれない。

それから、ちょっと驚いたのは、「審査料」「Gマーク使用料」の明示。

応募期間の4月22日〜6月10日。一次審査料は応募1件1万円。

7月15日に一次審査結果通知。二次審査料1件5万円。
未発表対象の審査料は機密保持費用として、10万円を加算。
建造物などの現地審査料は、審査委員と事務局員の旅行交通費などの実費のほかに、国内は10万円加算、国外は30万円を加算。  

一次審査通過対象情報のウェブサイト公開は、7月29日から9月2日。

8月28日から8月30日は、二次審査に通過したものを展示する「グッドデザインエキスポ」を開催。
展示料は対象によって違うそうですが。

グッドデザイン賞応募対象は「受賞結果発表日(2009年10月1日)までに公表でき、2010年3月31日までにユーザーが購入または利用できるもの」なので、この間、対象作品を「技術意匠の盗用を防ぐため未公開」とすることもできるそうです。

10月1日に受賞結果発表。
2010年1月にはイヤーブック発刊。
掲載料は受賞対象1件が1万5千円也。

……いやあ。なかなかの明朗会計ですな。

実は、「グッドデザイン・ファインダー」で調べると……。
毎年、多くのグッドデザイン受賞商品が出るけれども、すべての商品に「G」マークがついているわけではないのです。
「年間使用料が必要なので、受賞してもGマークをつけない企業が多い」とも聞いたことがありますが。
今回、その費用が明示されました。

Gマーク年間使用料は、販売価格50万円未満で、総事業費用5億円未満の団体が20万円。
販売価格50万円以上500万円未満で、総事業費用の団体が5億円以上50億円未満団体で50万円。
販売価格500万円以上、総事業費用50億以上の団体で、100万円。

……うーむ。Gマークがついていると、「デザインがよくて上質」ということで、消費者にアピールもできるけれど。
この使用料だと、商品単価が安いメーカーには、つらいかも。

ただし、例外があります。

受賞者が国、地方自治体、学校法人、財団・社団法人、NPO法人などの公共機関・団体は使用料が無料。
個人や中小企業は使用料が半額。
受賞5年目以降の使用料は半額。
受賞10年目以降のものや、ロングライフデザイン賞を受賞したものは無料。

……ということは、お気に入りの文具を、ロングライフデザイン賞に推薦して、受賞させて、Gマーク使用料を無料にして、その文具メーカーを応援することもできる?

『この規則は、2009年4月1日から実施します』とあるから、明朗会計になったのは、ごく最近のことらしいですね。

最近、グッドデザイン賞は、アジア地域の企業やデザイナー、メディアを対象に、日本のデザインを紹介する広報活動を開始。

「タイ王国首相デザイン賞」との制度連携。
「ミラノトリエンナーレ」出展。
「香港ビジネスデザインウイーク」に参加、シンンガポールに11月に設立される「ジャパンクリエイティブセンター」のオープニング展示……。

海外に日本のデザインを広げる活動を積極的に展開していますからね。
色々と経費がかかるのでしょう。

50年前、グッドデザイン賞(Gマーク制度)発足した時の目的は「商品の良質化により国民生活の向上、産業の発展及び輸出貿易の振興を図る」でした。

今の『グッドデザイン賞』サイトには、こう書かれています。

『今日のグッドデザイン賞は、人間活動の様々な分野領域でデザインが新しい解答をもたらすことを示しながら、「明日の生活」を実現する手がかりを生活者、産業、そして社会全体に提供していきたいと考えています』

これを読んだ時、私は、柳宗理先生の言葉、

『良いデザインは優れたデザイナーのみでは生まれ得ない。その製品を作る企業者、或いは製造業者、その製品を販売する販売業者、そしてその製品を使用するユーザーが良くなければ、良いデザインはこの世に出現し得ない。(『ロングセラー・デザイン 文房具から椅子まで』参照)』

を、思い出しました。

海外へ、未来へと広がりを見せるグッドデザイン賞ですが、「日本の良いユーザー」の存在も忘れないようにしていただきたいものですね。
posted by ゆか at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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