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2009年07月04日

平成21年の緑友会

「今度、緑友会の理事会あるんやけど、オブザーバーで、島村も参加せえへんか?」

 

高校卒業25周年記念同期会準備委員会の席上で、突然、同級生の税理士が言いました。

「……あの、私が行ったら、オブザーバーじゃすまんよ。ぶちこわすかもしれんし」

「いや、ぶちこわしてほしいんや。今ならまだ間に合うねん。このまま赤字が続いたら、100周年で財政破綻して、俺らが緑友会を解散させるはめになる。俺らはまだしも、平成卒の後輩らは、どないなるねん。……島村やったら、何かアイデアあるやろが」

真剣な表情で言ったのは、会計事務所の取締役の同級生。
二人とも緑友会の会計です。

緑友会……一昨年に創立90周年を迎えた大阪府立渋谷高校の同窓会組織。
会員数2万2千人。

毎年、懇親会の案内を出すのに参加者が集まらない。
でも、年々会員は増えて経費がかさむ一方。
少子化で新会員は減る。
どこの同窓会も抱えている問題ですが。

財政破綻して、学校の体育館を借りて収支報告だけする同窓会。
廃校で活動停止した同窓会もある中で、毎年全会員に案内を出して、ホテルで懇親会を開く緑友会は珍しい存在。

私が緑友会に関わるきっかけは、書記をしている後輩の誘いでしたが、なぜか行きがかり上「緑友会ネット広報担当」に。(『緑友会』参照)

……まあ、とりあえず緑友会を盛り上げないと。渋高が危ない。

以前、大阪府の第1次府立高校統廃合計画が動き出した頃……。
当時の女性校長が、緑友会総会の席上で「どうか皆さんのお力で渋高をお助けください」と涙ながらに訴えたのを、今も覚えています。

その後、大阪府は経費削減のため、次々に府立高校を統廃合。
残った学校の中には教育実験台のような扱いを受けているところも。(『90周年ですよ』参照)

地元自治体や教職の卒業生の尽力で、幸い、渋谷高校は全日制普通科のまま残りましたが、府は高校への助成金を大幅に削減。
第2次統廃合を企んでいるので油断できません。

緑友会の赤字の原因は、懇親会参加者の少なさと大量の宛先不明葉書。
同窓会案内はネット上の情報を充実させてフォロー。

参加者を増やすには……。
「総会・懇親会」と考えるから、堅苦しいと敬遠されるわけで、「15分の来賓の話と、抽選会がついてるホテルのランチバイキング(これが実態)」とすればいい。

ちなみに、私は図書館の主だった関係上、当時図書館に入り浸っていたクラブ……漫画研究部と地学部のOB会に参加していますが。
両方とも、最近集まるのが大変。
仕事や家庭の都合で日程調整が難しく、場所の予約も一苦労。
……よし、これを結びつけよう。

会計から「8人ほどでテーブル席一つ予約できる」と聞いたし、会長から「適当に広報しておいて」と言われているので、ここは一つ遠慮なく……。

mixi「大阪府立渋谷高校」コミュニティ(掲示板)のイベント欄で『緑友会で部活、委員会、クラス会などの同窓会を開いてみませんか』と呼びかけてみました。

「緑友会で同窓会をするメリット。5000円ぽっきりで3000円レベルの食事がついて、飲み放題食べ放題、1000円以上の景品も当たり、元がとれます。6人以上で一つのテーブル席を確保できます。12人まで座れるので、場所の予約や会計、突然のキャンセルに悩まされず、幹事さんは大変楽ですが、いかがでしょうか?」と書き込みました。

そして、「このように告知しました」と、その内容を会長の自宅にFAX送信。

毎年緑友会の話を書くと、「渋谷高校」コミュニティから、かなりのアクセスがあります。
興味がある若者は多いけれど、「堅苦しい会で、行っても知り合いが誰もいなかったら」と不安らしいので。
……でも、今回の広報は、ちょっと大胆だったかな?

今年の総会案内をネット上で告知した後、緑色の緑友会総会案内葉書が届きました。
なんと『諸般の事情により、総会の案内は今後2年に1回とさせていただきます』と赤い字で書いてある。

……ずいぶん思い切ったことを。
でも、これで経費を圧縮できる。

さて、緑友会当日。
会場で驚いたのは、これまで年代別だったテーブルがない。
私たちが予約した「昭和59年卒」と「昭和43年卒」「卒業50周年」「来賓席」以外は自由席。

参加者は、とまどいながらも、お互いに譲り合って適当に席に着きます。

私たち昭和59年卒は、会計2人を含めて8人でしたが、キャンセルが出て6人。
そこへ「ご一緒していいですか」と声をかけてきたのは、初参加の昭和58年卒の女性の二人組。
そして、緑友会書記の後輩たち、昭和60年卒の3人連れ。
みんなで仲良くテーブルを囲みます。

「自由と自律」が理念の渋谷高校は、よく言えば「おおらか」、悪く言うと「暢気で大雑把」な学生が多く、当然、その卒業生の集まりの緑友会は「何でもあり」。

まずは総会。会長の挨拶。
「赤字を減らし、緑友会を盛り上げるために、ぜひ、皆さんのアイデアをお寄せください」
……さすがは2万2千人の頂点に立つ方。度量があります。

続くのは現校長の話。
今は野球部だけでなく、サッカー部や女子バレー部も強く、一方で、関西有名私立大学に現役で合格する生徒もいるとか。

でも、去年も50万赤字なのに「全クラスに空調装置を」と言われるとつらいなあ。
案内経費は年間70万。
案内を2年に一度にして、浮いた経費で在校生を助けたい、理事たちの気持ちも、よくわかります。

来賓の挨拶の後は、現役渋高生の登場。
今年「よさこい部」に昇格した女性チーム「IZA笑舞」のよさこいソーラン。
黒地にピンクの花柄の衣装を着た14人が、金の扇と鳴子を使ったオリジナルの踊り「遊」を披露。
途中で音楽が途切れるトラブルにも動揺せず、威勢のいい掛け声と息の合った豪快な踊りで、見事に切り抜けました。

書記の後輩によると、緑友会に在校生が来るのは初めてらしい。
来年も、ぜひ踊ってほしいですね。

宴たけなわには抽選会。
高級焼酎や池田の地酒「呉春」の特級酒。
ヨーロッパ直輸入のポプリの詰め合わせなどの賞品が配られていきます。
ゆんさんは紅茶、私と看護師の友達は残念賞の卒業記念クオカード。
写真部の独身男性がポプリを持て余す姿には大笑い。

景品を見せ合っているところに、恩師がテーブル席にきてくださいました。

「ああ、○○先生。お懐かしい」

昭和58年卒、60年卒も大喜び。
学年は違っても教科担任は同じなのです。

別のテーブルでは、相席の昭和56年卒と平成3年卒が意気投合。
年代別テーブルだった時にはなかった光景。
今年の参加者も100名ほどですが、若い人が増えました。

「さて、皆さん。今回お配りした『緑友会だより』。『がんばってます!卒業生』コーナーでご紹介したコラムニストの島村由花さん、ご本人が来られていますので、一言ご挨拶を」 

アナウンスの後、私は壇上で自己紹介と、近日発売予定のコラム掲載の武道雑誌『合気道探求』を宣伝。
多くの先輩方から励ましの言葉をいただき、本当にうれしかったです。

そして、総会の最後は、緑友会名誉会長の締めの言葉。

「緑友会も苦しい財政の中、なんとか在校生を助けたいのです。どうかご理解いただきたい。次の案内は再来年ですが、来年から毎年、この場所、箕面観光ホテル、6月最終日曜、正午スタートです。今日参加した皆さんが、口コミで「5000円で食べ放題。飲み放題やで」「景品ももらえて元がとれるで」と宣伝してください。そして、来年案内葉書が行かなくても、今日と同じぐらい、いや、それ以上の参加者が集まる会にしましょう」

……どこかで聞いた台詞だなあ。
苦笑しながら万歳三唱で締めくくりました。

渋高存続のため、在校生と卒業生が手を結んで動き出した緑友会。
来年が楽しみです。
タグ:同窓会
posted by ゆか at 11:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
島村由花様
 小生,昭和43年卒の島津と申す者です.初めまして.「文春」誌にエッセイを寄せられたとか.書くことがお好きなのですね.小生も好きですが,寄稿できるほどにいまだ達せずです.
 島村様は小生よりずっと後のご卒業の様子.いや,渋校HPを偶然,覗いたところ島村様のHPに行き当たった次第ですよ.かなり多くのコラムを諸所に寄せておられますね.書くほどに筆の運びがよくなるのでしょう.小生,ただ今,大学で英語を講じる者ですが,来年3月に還暦に至ります.大学の定年はまだ先ですが,自ら退くのも一つの選択肢で,最後まで勤め上げる義務はありません.まあ,自らの体調とじっくり相談しつつもう少し,続けてみるかと思案しているところです.初のメール,長々とするものではありませんので,これくらいで留め置きます.よければメールを下さい.
Posted by 島津 達雄 at 2009年10月17日 17:52
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