今、私が注目しているトピック(話題)は「この文房具の弱点知ってる!」。
「みなさんの知ってる「文房具の弱点」を教えて下さい! 知っていれば注意して使えると思うので」ということで。
みんなで「自分の使っている文具の欠点」をあげていくもの。
……驚きました。
確かに、私も……特に筆記具は壊すけれども。
それは筆圧の高い私の責任で、文具メーカーの責任と考えたことがなかったのでした。
「パイロットのフリクションボールのキャップが割れやすい」
「メクリッコ(指サック)は筆箱の中で溶ける」
「無印の蛍光ペンはインクが出すぎ」
「ステッドラーの消しゴムは弱い力で消すと汚れが広がる」
「パイロットのドクターグリップは、ポケットに入れてると、いつの間にかバラバラに」
……これはペンよりも、そんな手品みたいなことができる、ポケットの方が気になるな。
面白いから私も参加。
「SEEDの消しゴムは、プラスチックの引き出しに入れておくと、くっついて、はがすのに難儀しました」
『プラスチック消しゴムや塩ビシートなどには樹脂を柔らかくするために「可塑剤」というものが含まれています。これが悪さをして触れている相手の樹脂を溶かしてしまうことがあります』
……そんな解説を書き込んでくださった方がいて、ありがたいことです。
それにしても……このトピックで、特に苦情が多いのが筆記具。
人気商品はユーザーが多い分だけ、苦情も多いのです。
「パイロットのフリクション・マーカーは、印刷物の上からなぞると下のインクが溶け出して消せなくなる」
「HITEC−Cは、インクがすぐかすれる」
……うーむ。紙の質とインクの質の相性が悪いと、こうなるのか。
「パイロットのコレトはインク減るのが早い」
「三菱のジェットストリームのインクの減りが早い」
「ゼブラのSARASAのインクの減りスピードは尋常じゃない」
……なるほど。インクの減りが早いのは、自分の使い方が荒いのかと思ってたけど。
「ペンのインクの出がよすぎる」こともあるのかも。
……読んでいくうちに、私の目は、ある書き込みに釘付けになりました。
『ジェットストリームは、紙によってですが、インクが裏移りし、緑色になってしまいます』
……えっ!
「1、2年前に無印のノート、コクヨのルーズリーフに書いた文字が全部裏に透けてしまった」「モールスキンは早ければ2ヶ月程度で裏抜けする」の書き込みが続きます。
「こらあかんわ!」
パソコン前で思わず叫んだ私は、立ち上がって、本棚へ。
私もジェットストリームの愛用者なのです。(『噂の最強ボールペン』参照)
ジェットストリームで書き込みをした書類をチェック。
基本的に、私は紙の表面だけを使うので、裏抜けしても、それほどダメージはないけれども。
問題は手帳。
紙の裏表の両面に記入するカレンダー面や「その日あった事」を書くスケジュール面は、無事なのか……。
2000年からシステム手帳リフィルを保存していますが……ああ、よかった。無事でした。
よく考えると、手帳は専用のペン「パイロット・CAVARIER」を使っていて、ジェットストリームは使ってなかったんだ。
他の書類も無事で、ほっとしました。
この「ジェットストリーム・裏抜け裏移り問題」を解決するために、トピックに書き込んだ方の一人が、製造元の三菱鉛筆に電話し、紙片サンプルを送って調査を依頼。
なにしろ、コンビニやスーパーで売っているような大ヒット商品ですから、「長期保存に適さない」となったら、日本中で被害が出ます。
そして、三菱鉛筆からの回答。
紙の裏に抜けているのはボールペンの油分ではなく染料。
紙を保存しているうちに、空気中の水分で、染料が紙の繊維に浸透しすぎてしまうらしい。
インクの浸透は紙の質(吸湿性)によって違い、インクの染料や原材料のロット、インクの流量(書く人がどの程度の勢いで書いているか)によっても、左右される。
『JETSTREAMはこの現象を最大限に抑える方法を取っているが、インク流量が多いため、この現象を完全に防止することは出来ないそうです』
……うーむ。困ったな。
「なめらかな書き味」のために、インク流量が多いペンだけど。
それが問題なのか。
手帳だけは、裏移り裏抜けしにくい「トモエリバー」と「DP用紙」を使ってるけど。
他の紙は、ちょっとわからないし。
ちなみに、『三菱鉛筆』サイトの「お客様相談コーナー」。
『インクは古くなると、かすれたり、書けなくなったりしますか』の質問に……。
『ボールペンのインクは、揮発量の少ないアルコール系溶剤を使っています。しかし長い時間が経過すると、溶剤が蒸発して書きにくくなりますので、なるべくインクが新しいうちにお使いください。保存環境にもよりますが、製造後約3年間は快適な書き味でお使い頂けます』
……えっ! インクって消費期限があるのか!
『筆跡の保存性能は』の質問には……。
『ボールペンで書いたインクの筆跡は通常の保存状態の場合、文字の褪色が少なく長時間保存することが可能です。従って公式文書にも使用することができます。 しかし、直射日光に当てると褪色が早まり、また紙面に油が付着している場合は筆跡が滲むことがあります』
なるほど。「ジェットストリーム・裏抜け裏移り問題」に、三菱鉛筆が「初めてのトラブル」と答えたのは、本当に「想定外の事態」なんだ。
『ウィキペディア(2009.7.5 13:23)』によると……。
裏移り対策には、すばやく紙に染み込み、表面が乾きやすい染料系インク、裏抜け対策には、色素が紙の表面にとどまりやすい顔料性インクの使用。
……難題だなあ。矛盾してる条件だ。
『特に「裏抜け」に関しては、紙質による影響も大きい』
……紙を選ぶのと、書いた紙を保管するのはユーザーだから、メーカーにも対策に限界があるのか。
とりあえず、「裏抜け裏移りしにくい紙」を意識して選んで使うしか方法がないなあ。
でも、すさまじい技術革新をしている筆記具界のことだから、この問題を解決するボールペンは必ず出てくると思います。
待ってますからね。
ラベル:ボールペン
まあまだ僕は買って数ヶ月なので、影響が出るかどうかは未知数です…。
う〜む。
でも、とりあえず今気に入ってるからいいや!
それに、島村さんの仰るとおり、いつか死角無しの天下無敵の筆記具が出てくるでしょう。
ボールペンのインクは意外に曲者です。古くなると芯の内側にこびりつき、一見まったく減っていないように思えるときがあるのですよ。一度そういうことがありました。書けなくなったボールペンの芯を切ってみると・・・・内蔵したインクのすべてがこびりつくわけではないので、しばらくは書けたのです。