「ご飯がおいしいことと、よく眠れること」と私は答えた。
「ご飯がまずいとか食べられないとか、夜眠れないのは不幸じゃないですか?」
……質問者は困惑の表情。
喘息の夜間発作で眠れない私にとって「熟睡」は贅沢だし、ご飯が「食べられない」状況は想像するだけで、ぞっとする。
ところが「腹一杯食べれば幸せか?」というと、そうでもない。
食べ過ぎると数日胃腸がおかしい。
……難しいものだ。
この本の著者は医学博士。
長寿国で知られるコーカサス・グルジア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員。
副題は「やせる、若返る、健康になる!」。
「やせる」はともかく「若返る」「健康になる」……???
脳の寿命は120歳。
人間は水と空気があれば、食料がなくても30日は生きられるそうだ。
人体は飢餓状態に強いが、食べ過ぎでガンや高血圧などの病気を引き起こして、天寿をまっとうできない。
医者の管理下で断食をすると、人間は「空腹力」を発揮……細胞の代謝がフル稼働して体温が上がり、免疫が活発になり、老廃物が大量に排出されて、若々しく健康でスリムになる。
……なかなか魅力的な話だ。
ところが「断食療法をしてはいけない人」の項目に『ステロイドホルモンや抗うつ剤を服用している人で、中止すると危険な場合』がある。
私は中等症持続型喘息患者でステロイド剤を常用。
……残念。
もっとも、使うステロイド剤は、学会の指示の半分以下。
「それで発作がおさまるのなら」と主治医も黙認している。
ステロイド剤が登場して、まだ50年。
数十年使い続けて人体に何が起こるかが、わかっていないからだ。
医学常識の変転に翻弄されてきた喘息歴40年の私は、医者の言葉を半分疑う。
でも、最新健康情報は気になる。
医者の書いた健康関連の本を読むたびに、いつも複雑な気分になるのがわかっているのに。
でも、また読んでしまった。
『空腹力』 石原結實 著 PHP新書
ラベル:やせる
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