「匿名の人間が記事を書くウィキペディアや個人のブログなどは使わないで、可能な限り一次情報(最初の文献)に近い正確な資料を集めて、「出口調査」の解説を800字程度でまとめてください」と依頼がありました。
ところが、「出口調査」と単純に検索すると、「出口調査の結果」や「出口調査員アルバイト」の記事ばかりが山ほど出てきて、調査難航。
結局、一番正確だと思われる文献……『国立国会図書館』『国立情報学研究所』『日本行動計量学会』の研究論文にいきつくのに、1時間半もかかったので自己嫌悪。
こんな調子じゃ、仕事にならんがな。
こうなると、日常の「探し物する時間」を減らして、その分、仕事の調べ物に回すしかない。
……とりあえず、ファイルをラベリングして、書類を探す時間を減らそう。
ちなみに、私とは対照的に、夫は、ファイルの背表紙からDVD、事務用品、引き出しや台所の乾物の瓶にまで、なんでもかんでも、「テプラ」でラベルを作って貼ってしまう「ラベル魔」。
「のりたま入った瓶に、わざわざ『のりたま』と書かんでも。片栗粉と違うぐらい、見りゃわからんか?」と、半分呆れていたのですが……。
ちょうど「ファイリング見直し計画(『画期的ファイル?』参照)」が進行中なので、夫のテプラを借りて、ファイルの背表紙を作ってみました。
昔懐かしいポータブル・ワープロを小型にした形状のラベル製造機「テプラ」。
ぽつぽつとキーボードを打ち、変換ボタンを押す。
「月間業務管理」の文字が液晶画面に浮かび、「印刷」ボタンを押すと……ジーっと音を立てて、印字されたテープが、狭い溝から吐き出されてくる。
「ハサミ」のマークのついた黄色いボタンを押すと、テープがカットされて、ファイルの見出しラベルの一丁上がり。
……ほほう。
今まで、なまじ資料探しが得意で早かったので、「いちいちラベル作るのじゃまくさいわ」と思ってましたが、案外楽しい作業ですね。
いくらでもラベルを作ってしまいそう。
でも、夫のラベルは黄色ばかりなので、鮮やかな黄色が苦手な私は、ちょっと困る。
「テプラ」を発売している『キングジム』サイトをのぞくと……あるわあるわ。
赤、青、黄色、緑、白、ピンク、オレンジ、紫、グレー、黒、金、銀。透明、蛍光色、パールカラーなどなど。
テープの色も選べますが、印字する字の色や幅も多種多様。
テープの素材もたくさんあって、ライトの光を反射する反射ラベル。
下地の素材感を生かす透明つや消しラベル。
手書きできて、書類の部分修正などに便利な上質紙ラベル。
強粘着ラベル。ふせん紙ラベル。マグネットラベル。
布地に貼れて洗濯できるアイロンラベル。
……なんだか、すごいことになってますね。
とりあえず、普通のテープ「白・黒字12mm」「透明・黒字9mm」を買うことにしました。
このテプラを発売したのは、ファイルメーカーのキングジム。
昭和50年代の後半に、ある会社から「書類をわかりやすく整理できるよう、背表紙タイトルをワープロ文字で統一したい」との相談が持ち込まれました。
そこで、「ワープロ打ちサービス」を開始した途端、注文殺到。
そんな状況が3年も続き、「誰でも簡単に使えて、きれいにファイルの背表紙タイトルがつくれる、手ごろな値段の電子文具を」と開発されたのが、ラベル製造機「テプラ」。
「テプラ」は、「テープライター」から生まれた造語で、1988年に売り出されて大ヒット。
最初に作られた12mm幅のラベルテープは、は自社商品「キングファイル」の背見出しが基準。
9mmはカセットテープ、18mmはVHSビデオテープ、36mmは郵便物の宛名ラベルと同じサイズ。
さすがに、ファイリングを極めたキングジムならではの設計。
『テプラ使い方ミュージアム』によると、テプラの使い方は驚くほどあります。
ファイルの背見出し、封筒ラベル、ケーブルの配線表示、ビデオのラベル、食材の保存ラベル。
価格表示ラベル、従業員のネームプレート、電気スイッチの表示、ゴミ箱の分別ラベル、エレベーターのバリアフリーメッセージ。
部品の調達番号記入、研究室での実験試薬のラベリング、スケジュールボードへのマグネットテープ表示、図面に紙ラベルを貼って修正を楽にする。
ヘルメット掛けの下に持ち主の名前と「作業中」のメッセージを入れると、誰が作業に出ているのか一目瞭然に。
医療機器への操作説明、注意表示、入院患者のネームプレート、備品管理ラベル。
……すごいなあ。みんなテプラでできるんだ。
色の使い分けの紹介もあります。
命令形の注意・禁止メッセージにおすすめの「赤」。
「お願い」の印象を与える注意・禁止メッセージに適した「黄」。
安らぎと爽快感を与えるので、エコロジーや回覧メッセージに向いている「緑」。
清潔感・清涼感・信頼感があり、ビジネスシーンで万能な「青」。
職場には、夫と同じ「ラベル魔」の事務員がいます。
什器備品、壁、天井から吊り下げたボード、ドア、窓にいたるまで、ラベルだらけの職場になっていますが……。
床の配線コードに足を引っ掛けやすいので、わざわざ「足元注意!」の特大黄色ラベルが壁に貼ってあるのに。
警告ラベルが「風景化」してしまい、警告ラベルを見逃して、コードに足を引っ掛ける人が続出。
警告・注意ラベルの数も、多すぎると逆効果のようです。
テプラの魔力にとりつかれて、ラベル作りそのものが目的になる、「ラベル魔」の気持ちも、まあ、わかりますけど。
パソコンが普及する前に登場した、このアナログな電子文具は、今、パソコンの領域に侵入し始めています。
例えば、エクセルで作った取引先の住所録データを、テプラの中に流し込み、宛名ラベルを簡単に作ることができる。
……これは便利かも。
確かに、パソコンにもラベル用ソフトやラベル用紙があるけれども。
レイアウトや、印刷したラベルをサイズに合わせて切るのが、手間なんですね。
テプラを使って、最初からサイズ通りのラベルができる方が楽。
なかなか目のつけどころがいいですね。
『キングジム』サイトには、テプラ対応の、ラベルフォーム集サンプルが豊富なソフト『データ貼る蔵くん』の無料ダウンロードサービスもあり、親切です。
テプラ(tepra)……
「T(timely・いつでも)」
「E(easy・誰でも簡単に)」
「P(portable・その場で)」
「R(rapid・すぐに)」
「A(affix・貼りつけられる)」
点字が印字できるものや、子供向けの「ポケモンテプラ」。
100種類のデザインが選べてパソコン対応の機種も登場。
……これからも、テプラは、時代に合わせて進化するのでしょう。
もちろん、「ラベル魔」も増えていくと思いますが。
ラベル:テプラ
類似品も色々とある中で、これが使い勝手が良く、汎用性が高いと思って購入したんですけど…今は封印中。
何故なら、使い出すと止まらない「魔の文具」だから(笑)
ファイルの見出しを「一つ」作ろうと思って作業しだしたはずなのに、レイアウトが気に入らないとかで作り直したりしてるうちに、クリアファイルのラベル等関係ない物を作ってしまったりしている、何とも不思議な文具なのです。(脱線してしまう私が悪いんでしょうけど)
「テプラ使い方ミュージアム」…素敵な響きだわ。ぜひ覗いて、マスターしなくっちゃ(笑)