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2009年09月01日

今年の火祭り

昨年、一昨年と大阪・池田市の祭り「がんがら火祭り」をとりあげています。

池田市民でもない私が、なんで池田市の「がんがら火祭り」の話をするか……。

 
そもそも、これは旧友で、池田市民のゆんさんのリクエストではじまった企画。
池田市は私の母校、大阪府立渋谷高校があり、今も池田市民の友達がたくさんいる「なじみの土地」です。

さて、今年もケーブルテレビの『がんがら火祭り生中継!』を録画しておきました。
毎年8月24日に行われる祭り。
今年は平日だけど……どうなのかなあ。

HDDレコーダーのスイッチを入れると……。
夕暮れの暗く濃い青空に、黒々とそびえる五月山のシルエットの映像。
『がんがら火祭り生中継!』のスタートです。

360年の歴史を誇る「がんがら火祭り」は、池田の人たちが建立した池田愛宕神社と、京都愛宕神社を勧請して建立された星の宮神社。
火の神様を祭る池田市内の2つの神社が、同じ日の晩に、家内安全を願って繰り広げる火祭りの総称。

池田のシンボルの五月山西側に、城山町地区(池田愛宕神社の氏子)の人々が、池田愛宕神社の御神火で「大一」文字を点火。
御神火を点した大松明を6本かついで、半鐘や八丁鐘を「がんがら」と鳴らしながら、池田市内を練り歩きます。

一方、建石町地区(星の宮神社の氏子)の人々が、京都愛宕神社からいただいた御神火で、五月山東側に「大」の火文字を点火。
子供たちが火を点した松明をかかげて、五月山から、ふもとの星の宮神社まで下り、御神火をお納めします。

今年の放送ブースは池田市役所屋上。
去年は池田市役所前でした。(『祭りの力』参照)
去年「隣のよさこいソーランが、やかましくて、解説が聞こえんやんけ!」と、このコラムで書きましたが、今年は解説が聞き取りやすくて助かります。

司会は、一昨年去年と同じ女性タレント。
解説は地元池田の郷土史家。
そして、今回、もう一人、「池田五月山大一文字がんがら火保存会広報係」という長い肩書きを持つ男性。
池田愛宕神社の氏子(城山町地区)で、実際に大松明をかついだ経験のある方。

まず、最初のゲスト、ハッピ姿の池田青年会議所理事長が登場。
同じ日に池田市役所付近で行なわれている、「いけだ・いらっしゃいフェスティバル」の宣伝。
「がんがらと関係あるんか?」とのご意見もあろうかと思いますが。
まあ、スポンサーの関係でしょう。

続いて、この日の午前中に池田愛宕神社で行われた「御神火の神事」のVTR。

まず、修験道の山伏たちによる護摩焚きの儀式。
愛宕神社の宮司が柴の山に祝詞を上げ、山伏が柴の山に点火。
この火が大松明に移されて、池田の町を巡るのです。

一方、星の宮神社。
建石町地区の子供たちが、青いハッピ姿で神社の境内に集合。
火のついていない青竹の松明を一本ずつ持ち、鐘を叩きながら、行列で五月山をめざします。

そこで、郷土史家と広報係が「がんがら火グッズ」……商店に掲げるのぼり、提灯、この日だけ授与される御幣と御神符を紹介。

「商売してどないすんねん」と思われた方もおられるでしょうが、「祭り」は、どうしてもお金がかかるもの。
地元住民の賛助金だけで、毎年祭りを続けるのは、大変なことなのでしょう。

再びVTR。
昼間の池田愛宕神社に黒い大工装束の若衆が集結。
神主のお祓いを受けた後、酒と塩で清められた小松明に御神火が移され、「大一文字がんがら火」がスタート。

ここでゲスト登場。
ハッピを着た池田市長の倉田薫氏。
「がんがら火祭りを大阪府指定無形文化財へ」と語ります。

その背後に浮かび上がる星の宮神社の「大」の火文字。
市役所屋上は、五月山の火文字を見渡せる絶好の場所なのです。
残念ながら西側の愛宕神社の「大一」の火文字は山の陰で見えません。
「隣の川西市の人にサービスですわ」と笑う郷土史家。

そしてVTRは、祭りに使う松明の製作現場へ。
竹を芯にして、油分の多い肥松を縄で巻きつけて松明を作るのです。
芳香を放ち、雨の中でも燃え続ける肥松は稀少品。

さらに場面は変わって、星の宮神社のがんがら火祭りのVTR。

五月山の中腹で赤く輝く「大」の火文字。
京都愛宕神社の御神火を、緊張した面持ちの子供たちが、一人ずつ自分の松明に火を移してもらいます。
闇の中で揺れる100の炎。
子供たちの松明です。

保護者につきそわれて、うれしそうな顔で松明をかかげる子供たち。
鳴り響く八丁鐘、列になって、暗い山道を降りていくオレンジの炎。

一方、池田愛宕神社のがんがら火は……五月山のふもとの油かけ地蔵前。

御神火は、若者がかついできた小松明から、石畳の上に寝かせていた大松明に移されました。
大工装束の男衆が、勇ましい掛け声とともに、大松明を持ち上げます。

漆黒の空を赤く照らす大松明が2本、まっすぐに立ち上がり、「さすまた(先端が「U」の字になった棒状の武器)」で上部を固定されて「人」の字が完成。
歓声が起こります。

6本の松明が一対で3基、松明を「人」の字に組み合わせたまま、町を練り歩くのです。
笛と声で松明の動きを指示する「しんもち」。
松明を持ち上げる人、綱で松明を引く人、さすまたで松明を固定する人……1基あたり十数名の若衆がかつぎます。

「この、松明を支えるのが一番しんどいんですわ。腰にきますねん」と、広報係の男性。

けたたましく半鐘や八丁鐘が打ち鳴らされる中、雨のように降り注ぐ火の粉で、火傷をしても髪の毛が焦げても、黙々と松明をかつぐ男たちの広い背中。
……かっこいいなあ。

狭い池田旧市街を、よろよろと、おぼつかない感じで進みはじめた大松明。

「最初はふらふらしてますけど。途中から、息が合ってくるから大丈夫ですよ」

広報係の言葉通り、しばらくすると、大松明は、まっすぐ進めるようになってきました。

その頃、星の宮神社の子供たちは……道端の老人たちが、仏前に供えるために差し出す蝋燭に、松明の火を分けつつ神社へ。

星の宮神社境内の「大」の字に並べられた竹の松明。
そこに火を移した後、松明を神前に納めます。

大役をはたして、ほっとした表情の子供たちの横顔を照らす、小さな「大」の火文字。
今年の星の宮神社の火祭りの終わりです。

そして、池田市役所前大通り。
大松明が到着……でも、今年は松明が異様に短い?

「まずいな。今年は風強いから、燃え方が激しいわ」と心配する広報係と郷土史家。
4メートルの大松明が半分燃えると、火が間近になる分、熱くてかつぐのが辛いし、危険です。

それをものともせず、男衆は6本の松明を一つに組み合わせ……ようとしたけれども、最後の3基めの大松明が、バランスを崩して倒れかける。

「あかん!紐引っ張りすぎや!」と、解説者の立場を忘れて叫ぶ広報係。

3基めの大松明は、なんとかバランスを取り戻し、待っていた2基と合流。
3基6本の松明が一つになりました。

音を立てて飛び散る火の粉。
勢いよく空を焦がす赤い炎、もうもうと立ち昇る黒煙。
大通りを埋めつくした人々のどよめき……。

ここで大松明は、新たな大松明に火をつけかえられます。

人々の声援に送られて去っていく大松明。
さらに池田市内を巡行し、最後に元の場所に戻り、大松明を納めて、今年の池田愛宕神社のがんがら火は終わります。

『がんがら火祭り』は、二つの神事が、同時に別ルートで行われるので、生で全部見るのは難しい。
この中継はありがたいもの。

今年は『大阪池田のがんがら火』公式サイトで、祭りの様子をリアルタイム中継。
年々情報発信を工夫していて、これからが楽しみですね。
タグ:池田
posted by ゆか at 15:18| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今年も、わが池田市の祭りを取り上げていただいてありがとう。
今年は、仕事の所為で見損ねちゃったんだけど、これを読めばまるで見たかのように情景が浮かんでくるなぁ。
これを読んでもらって、来年来場者が増えるといいなぁ。
Posted by ゆん at 2009年09月02日 01:11
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