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2009年10月20日

筆箱再考

最近、セミナーに参加する機会が増えました。
オキナの「プロジェクトペーパー」を入れた、ソメスの「ライティングパッド」と、三菱鉛筆「ユニ硬筆書写用6B鉛筆」を携えて、颯爽と会場に出かけます。

セミナー講師は、学校の先生と違って、ほとんど黒板に字を書きません。
発言のポイントは瞬間的に書きとめるんですが。
不器用な私は、それを漢字で書く余裕がない。

おかげで、毎回セミナーが終わった後は「鉛筆で乱暴に書き殴った平仮名と片仮名だらけのレポート用紙の山」が発生。
もちろん、後でパソコンを使って内容をまとめますが。

この「人の発言を瞬時に書きとめる技術」として有名なのは「速記」。

ちなみに、『社団法人日本速記協会』によると、世界で最古の速記史料は、紀元前350年のギリシャ。
簡単な符号でアリストテレスらへの献辞が刻まれた大理石。

日本の速記文字の元祖は、平安時代の発明品「平仮名」と「片仮名」。

ご存知のように、平仮名は漢字の草書体が崩れてできた文字。
片仮名は、漢文や経典の読み仮名を素早くメモするために、漢字の楷書体の一部を取り出して作られた文字。

……ふうん。私が平仮名だらけのレポート用紙の山を作るのは、日本の伝統にのっとった行為だったんですね。

でも、現在の速記文字は、平仮名や片仮名とは全然違う。

『速記符号(速記文字)は、線の対照を利用して五十音がつくられています。曲線か直線か、水平か斜めか、長いか短いか、大きいか小さいか、濃く書くか薄く書くか等で音の違いをあらわします』

速記符号とは、要するに……例えば「あ」という文字を、もっと画数の少ない記号で表現するもの……かな?

1837年、イギリスのアイザック・ピットマンが、単純な符号を使う記音式速記法を発明。
文字ではなく符号を使うことで、筆記速度が格段に向上しました。

1882年、田鎖綱紀(たくさり こうき)が、日本傍聴記録法を発表。

日本で最も速記が使われているのは国会。
1890年の第1回帝国議会開催以来、日本の国会議事録は、すべて完全な形で残っているそうです。

『速記は誰でもマスターできます! 紙とシャープと、そして少しの根気があれば。』と、日本速記協会は速記検定受験を勧めてますが。
面白そうだけど。
残念ながら習う時間がないですな。

実は、速記専用の筆記具もあって、OHTO「速記用ボールペン」、プラチナ「プレスマン」が有名。

「速記用ボールペン」は軸が滑りにくく、滑らかでしっかりと書ける太字のボールペン。
「プレスマン」は、取材記者向けの「速記用」として発売されたシャープペン。
折れにくい0.9ミリの2Bの芯を使用。

つまり、「色が濃く、やや太めの芯で、書き味が滑らかな筆記具は速記向き」ということです。
厳密にスピードを要求すると、「小さい速記文字をたくさん書く」ために、シャープペンやボールペンの方がいいのでしょうけど。
私の場合、相手の発言全部じゃなくて、講義の要点だけ書くので、鉛筆でもいいか。

しかし、鉛筆には、決定的な弱点があります。

「芯が折れる」こと。

以前、セミナーの最中、鉛筆の芯が折れて、とっさにシステム手帳のボールペンで書き続けたことがあります。

ライティングパッドには、ペンホルダーが一つしかない。
予備の鉛筆や消しゴム、できれば、鉛筆削りやボールペンも持っておきたいし。
印鑑が必要になる時もある。

……うーむ。やっぱり、「筆箱」が必要になってくるか。

とりあえず、無印「透明PPペンケース」に、三菱「硬筆書写用6B鉛筆」、SEED「Radar消しゴム」「ダックス」の鉛筆削り、三菱鉛筆「ジェットストリームボールペン」の赤と黒、それと三文判を入れてみましたが。

……それにしても、他の人の筆箱って、どうなんだろう? 
もっと機能的だったら、まねしてみたいなあ。

ちょうど、お誂え向きの本がありました。
『筆箱採集帳(ブング・ジャム著 ロコモーションパブリッシング)』。

「文具王」こと高畑正幸、「文具芸人」の他故壁氏、コレクションサイト『イロブン』主宰者きだてたく。この3人のユニット「ブング・ジャム」が、59人の「筆箱と、その中身」を写真で紹介するという妙な企画の本。

建築家、イラストレーター、小学生、舞台女優、保育士、看護師、陰陽師、内科医、質屋と、さまざまな職業の人の「筆箱」が登場。

手作りの筆箱、漆芸家の自作印伝筆袋、特注高革製ペンシース(一本のペンをいれる鞘状のケース)、油絵用アルミケース、歯磨きセットのケース、ジグソーパズルの空き箱……。

普通に「箱または袋に筆記具類が入ったもの」だけじゃなくて、「皮製ノートカバーにボールペンをつけたもの」「「マシンガンを入れるピストルケース」、「カラビナにストラップつき小型文具を11個吊るしたもの」「てぬぐいで筆記具を包んだもの」……???

この本での「筆箱」の定義は、『持ち歩くためにチョイスされた文房具のひとかたまり+ケースのユニット』。

この定義だと、私の鉛筆つきのライティングパッドや、ボールペンと付箋がついたシステム手帳も「筆箱」になってしまうわけか。

しかし、「iphoneとそのケース」とか「筆記具がぎっしり詰め込まれた白衣のポケット」とかを、「これこそ「筆箱」だ」と主張されてもですなあ。……

それはさておき、筆箱の中身。
それぞれの選んだ文具に、職業や人生観が凝縮されていて面白い。

ボールペン、シャープペン、水性ペン、マーカー、万年筆。
消しゴム、鉛筆、定規、コンパス、はさみ、付箋。
クリップ、のり、ミニ電卓、ホッチキス、USB、ICレコーダーともかくとして……

目薬、ピンセット、歯ブラシ、耳かき、虫眼鏡、単三電池、ストップウォッチ、のど飴、ビー玉、5円玉……って「文房具」?

うーむ。文具界の「見てはいけないもの」を見てしまったような気分になってきた。

なお、この本には、私と似たセンスの筆箱も登場。

同じ無印の透明筆箱に、パステルカラーのシールを、桜吹雪のように貼ってデコレーション。
ボールペンや鉛筆類を入れたシンプルな筆箱。
持ち主は多摩美術大学の大学院生。

……意外だなあ。私のセンスは学生に近いのか。
まあ「セミナーに勉強しに行く」のが目的だから、似たような「勉強用筆箱」になったのかもしれませんが。

とりあえず、この勉強用筆箱で、がんばってみましょうか。
ラベル:速記 筆箱
posted by ゆか at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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