やたらに国際情勢の話が出てくるけれど、どの国と、どの国が関わりを持っていて何が起きているかが、わからない。
しかも、その情勢の変化が、日本にとって、どんな意味を持つのかがわからない。
そんな私のような人に向けて書かれているのが、この本。
日本経済新聞で月一度連載されている『世界を読む』に、世界の有識者や政府当局者のインタビュー記事『世界を語る』を加え、海外在住の日本経済新聞記者のレポートを加えて加筆修正したもの。
豊富な石油や天然ガス資源を背景に軍需産業を拡大し、地球温暖化で氷が解けた北極海の資源をめぐって、カナダやデンマークと対立するロシア。
少子化で労働力不足の西欧諸国に移住する東欧諸国の人々、そして足りなくなった労働者を埋め合わせる形で、東欧諸国に流れ込むアジア系移民。
ハイテク企業にかかせない鉱物資源レアアース(稀土類)市場を独占、消費大国であることを武器に、石油資源が豊富なアフリカ諸国との連携を深め、国際社会への発言力を強化する中国。
コソボ、ミャンマー、チェチェン、クルド人自治区、チベット、スリランカ……世界各地で勃発する民族紛争。
石油の富を還元する形で途上国支援や投資に乗り出した中東諸国。
……昔より、アメリカの存在感は薄れているようだ。
世界は分裂する一方、ネットで深く結びついている。
携帯電話が普及したアフリカでは、ネット情報が食料卸売価格の変動や、暴動までを左右する。
2億3千万の「網民」を抱える中国。
アメリカでオバマ大統領に勝利をもたらした、ネット情報発信にたけた若い世代。
……読んでいて溜息が出る。
日本は国際社会の荒波に翻弄される一枚の木の葉のようだ。
政権が変わった今、長期的な視点の「国策」や「国益」について、真剣に考える時だと思うが……。
今の日本の政治の動きを見ていると、ものすごく不安になってきた。
『裏読み世界地図』 日本経済新聞社 編 日経ビジネス人文庫
ラベル:国際社会
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