そんな人が多いらしく、有名・無名、活字・webを問わず、「自分の文具の使い方」の紹介記事は、人気があります。
私も、他人の文具の使い方を研究したり、『ventus』で、自分なりの工夫は書くけど……。
たぶん、読んだ方の役に立ってないと思うな。
かなり特殊なケースだから。
ここ数年「ライフハック」……仕事を効率的に進める技術の本が大流行。
これまで、デジタル小物やノート、手帳、メモなどを、うまく使いこなして仕事を効率的に進める提案の本は出ていましたが。
その究極とも言える本が登場。
『ステーショナリーハック!(マガジンハウス)』。
この本は「仕事の効率を高める文具、ちょっとおしゃれな文具」ばかりを紹介するもので、『新しい文具を使うことで、新しい自分を見つける。そんな自己発見の契機として、文具を捉える、全く新しいタイプの文具紹介の本』。
コンサルタントの小山龍介さんが提唱する「行動が変わり、習慣が変わり、運命が変わる文具」のコンセプトに合った文具を、文具コンサルタントの土橋正さんが選ぶ。
美しい写真入りの本ですが。
文具を変えることで運命を変える……ねえ。
『ventus』の来訪者の皆様は、すでにお察しかもしれませんが。実は、今年の手帳、どんなリフィルを選ぼうか、まだ迷っているところなのです。
狭心症の義母を引き取って、今後数年かけて、通勤の生業から在宅勤務……つまり執筆の仕事にシフトするつもりでいるのですが。
なにしろ「病気の家族」を抱えると、いつ何が起こるかわからない。
これまで「義母が緊急入院」の突然のメールで、その日のスケジュールが崩壊する経験は何度もありました。
「何! おふくろが倒れた? 俺は仕事で忙しいんだ!」と電話に向かって怒鳴れるほど、私は強い人間じゃないんですよ。
……今後、自分の人生が激変するのがわかっていて、何かを変えなきゃならないと切実に思うのに、具体的に何を、どう変えていいのかわからない。……
それで最近、「文具つかいこなし本」を一生懸命読むんですが。
「ちょっと違うんだよなあ」と首を傾げることが多いんですね。
どの本にも、役に立つ情報が平均5%は含まれていて、「読んで損した!」というわけじゃないけれど。
さて、この本はどうなのか?
「情報はノートに一元管理する」
……レポートパッドに用件をまとめて、それをちぎって即専用ファイルに分割し、ファイルの目録はシステム手帳に控える……ではダメ?
「Gmailで書類管理、クライアント提出したり、社内で共有したり、上司に提出する文書をメールに添付するのが一般的なので、Gmailを使って検索」
……うーむ。職場は情報漏洩を防ぐため、イントラネットから外へは出られないからGmailを使うのは難しいし。
執筆の方は、文書を案件別に細かくフォルダに分類していて、それで不便がないけど。
そもそも文書は、用があるたびに検索せんとあかんものなん?
「USBメモリーで個性を演出」
……そう言われてもなあ。
執筆の仕事は全部データをメール転送する形で、バックアップ用USB以外はいらないし。
職場は個人情報流出を防ぐために、個人所有のパソコンはないし。
自前のUSBなんか持ち込めば、即懲戒処分になるところだし。
……うーむ。違和感があるのは「自分の現在の実情に合わない」かららしい。
たぶん、普通の人にとっては、役に立つ情報ばかりなんだろうなあ。
そんなに特殊な環境にいるのか。私は。
……なんか情けない。
ちなみに、この本にもスケジュール管理にお勧めの文具コーナーがあるんですが。
「ポストイットを手帳に貼ってスケジュール調整」
……これはやってる。
「手帳の予定で重要なものにマークをつけるシール」
……困ったなあ。私の予定は全部重要なんだけど。
病弱ですから、体力も考えて、重要な予定しか入れない習慣なんです。
「クリップで開きたいページをマーキング」
……これは盲点だった。「日誌」は毎日つけるから、その部分にブックダーツでマーキングしておくとしよう。
「Googleカレンダーで、職場でスケジュールを共有し、iphoneにリンクさせる」
……職場はルーティーンワークで、情報漏洩を防ぐため私物携帯持ち込み禁止。
執筆スケジュールで問題になるのは締め切り日だけだから、必要ないような気がする。
「タイマーをセットして、時間を決めて仕事する」
……これはいいかもしれん。最近、ネット情報収集に時間がかかり過ぎてるし。
「TODOリスト」
……これは迷ってます。
「何をすべきか」は細かく分けないと、こなしていけないけれど。
どうしても「計画を立てたものの、全部をこなせなかった自分」を責めてしまうんですよ。
この本に載っている「時間が来るとTODOメールが届くソフト」なんか、恐くて使えないなあ。
……と、ここまで書いていて、ふと思ったんですけど。
「どう変えればいいか」じゃなくて「あえて変えない」選択肢もあるんですね。
「問題解決のために新しい文具を選ぶ」よりも、今の私に必要なのは、複雑化する問題を細かく分割、優先順位に応じて並び替えて、その時々で最良の行動ができるシステムの構築……これか!!
おそらく、鍵を握る文具はポストイット。
1枚につき1つの用件を書いて貼りながら、並び替えて考える……。
おお、なんとかなりそうな気がしてきましたよ。
ラベル:ステーショナリー
すごくよく分かります。
リスト系って、完成すると神になりますからね〜。
その点。
ポストイットの、簡単に張り替えられる可変性は魅力です。