武道は、多田宏9段(イタリア合気会最高顧問、多田塾主宰)に師事して、合気道歴30年以上。
この本は、武道の話が中心。
色々な古い文献を例にとって、論理的かつ学術的に、しかも面白く書かれている。
私も、時々武道のことを書くけれど、こういう格調高い、ためになる話を書いてみたいものだ。
家で袴をはいて、飛び蹴り実験(詳しくは武道系コラム『道着と袴と』(前編))している場合ではないかもしれない。
『非中枢的身体』とは、昔から武道が理想としている身体の動かし方。
例えば、頭で「右手を前に」と命令してから右手が動くのではなく、頭が右手を動かすか判断する前に、右手が勝手に動いている状態。
これができると、敵が予測不能な動きができる。
「理由はわからんけど、お前の意思と自己防御本能は全然別もんや。それだけ素質があるのに、武道やらんのはもったいない」
武道13段の夫に勧められ、私は合気道をはじめた。
まもなく初段になる。
実は、「私の意識」とは別に「私の体の意思」があり、時々身を守るために勝手に体が動く。
「体の意思」が働いた時、「私の意識」は一瞬空白になるため、自分でこれを制御できず、子供の頃から悩んでいた。
「体の意思」のやることは一見非常識なのだが、後で考えると、私より的確な判断をしている。
「「私の意識」は「私全体」からみて足手まといかもしれない」と、今でも時々悩む。
でも、この本に『社会的人格を統合する中心にある「本当の私」は「ボケナス」であるのがよい』と書いてあったので、とても安心した。
武道に興味がある人には、ぜひ読んでほしい本だ。
『私の身体は頭がいい 非中枢的身体論』 内田樹 著 新曜社
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