この過激な発言が飛び出したのは市の保健医療審議会。
緊急医療のあり方について議論中のことだ。
急患が出た時、救急隊員は、まず大阪府下の病院に連絡し、複数の病院から受け入れを断られ続ける。
川一つ越えた隣の伊丹市や尼崎市など、兵庫県の病院で受け入れ可能でも、大阪府の病院が最優先。
その間に患者の容態が悪化することも多いそうだ。
この本の著者は中央大学経済学部教授。行政学と地方自治論の専門家だ。
全国の都道府県・市町村の議員は3万8800人。
地方議員……非常勤特別職公務員の本来の仕事は、議会での質疑応答、議案調査、視察、研究会、会派の会議など。
その活動は、年間100日程度。
それ以外は、地域の世話役からの相談、様々な地域の行事や支持団体の会合への出席など、4年後の選挙に向けての選挙活動。
4年任期の非常勤、年金や退職金なしの不安定雇用で、家族を養うため、兼業もやめられない……。
なるほど。議員は本業以外の仕事が忙し過ぎるのか。
保健医療審議会に、市議が一人も出席していなかったわけだ。
住民に直接選ばれた議員は、自治体行政に対して、審議権、条例制定権、予算策定権まで持っているのに、時間不足で、その権限を生かせないでいる。もったいない。
もし、市議が、住民、医師会、病院、有識者、社会福祉団体などが、地域医療をめぐって協議する保健医療審議会に出席し、地域医療現場の問題を知って、議会で活動してくれれば、もっと地域の医療体制もよくなり、住民も助かるのだが。
最近、市議会の質疑応答がネット配信されたり、広報で積極的に市民に市行政の動きを公開したり、自治体も情報公開の努力はしている。
これからは、住民と議員と自治体職員が、一緒になって地域を住みやすくしたいものだ。
『地方議員』 佐々木信夫 著 PHP新書
ラベル:地方自治
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