職場、道場、病院、図書館など、主な立ち寄り先は、ほとんど「携帯不可」で、確実に電話が通じるのは、自宅にいる時ぐらいだろう。
携帯に入るのは簡単な連絡メールだけ。
情報収集はパソコンを使う。
ところが、子供たちはケータイを駆使して、さまざまなことをやっているらしい。
実にうらやましい。
この本の著者は、山形大学基盤教育院准教授で、情報教育が専門。
内容は、親が子供たちに、正しいケータイやネットの使い方を、どう指導していくかについて。
読むうちに、暗い気持ちになってきた。
友達からのメールに30分以内に返信できないと「絶交」されるので、入浴中でも返事できる防水ケータイがかかせない。
しかし、その友達も表面上のつきあい。
友達から「はみ出し者」と見なされれば、即、ネット上で個人情報を公開され、中傷誹謗と学校内でのいじめが激化する……
ああ、息苦しい。
「携帯を駆使して楽しんでいる」わけじゃなくて、「身を守るために携帯を駆使せざるをえない」のか。
ふと思い出した。
高校生の甥が「俺、ほんまはこれが好きやねん」と言いながら、私に1冊の漫画を見せて、「そやけど。こっちが仲間受けええから、こっちが好きなことにしてる」と別の漫画を見せたこと。
私が「おおっぴらに、自分が好きな方読んだらええやん」と言ったら、甥は「ほんまは、俺かて、そうしたいんやけど」と、寂しげな顔をした……。
著者は、親が子供と
「学校、食事中、勉強中、入浴中にはメールをしない」
「利用は1日1時間以内」
「午後10時以降所定の置き場にケータイを戻す」
「フィルタリングは絶対はずさない」などの、「ケータイ・ネットルール」を作り、ルールが守られているかチェックして、親子で話し合うことを提案しているが……。
本当にケータイやネットの脅威から子供を守れるのだろうか。
今以上に、子供たちに息苦しい思いをさせるだけかもしれない。
『即レス症候群の子どもたち』 加納寛子 著 日本標準
ラベル:ケータイ
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