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2010年02月02日

青色申告ですか?

さて、いよいよ確定申告のシーズン到来。
 

私は今年度から青色申告者になったので、ドキドキしています。

「姉ちゃん。朝日の仕事、毎月あるんやったら、青色申告に切り替えてみたら」

昨年の夏、とんでもないことを言い出したのは、簿記講師の妹。

「えっ、青色申告するほど儲かってないで。赤字になるやんか」
「赤字になったってかまへんねん。いや、赤字を出してもらわんと困るんや」
「???」

「姉ちゃん。例えば、来年、本出してガーンと儲けたらどうする?」
「そりゃ、無理やで。この仕事が、そんなに儲からんのは、知ってるやんか」

妹は真剣な顔で言いました。

「姉ちゃん。そんな悠長なこと言うてて、どないすんねん。何百万も儲けなくても、青色申告は控除が65万あるし、交際費なんか、無制限に経費で落せるのや。しかも、赤字を3年繰り越せるねんで。今年大赤字にしておいたら、来年大儲けしても、その赤字で相殺できるんや。税金払わんでええわけやで。赤字なわけやから、住民税かて安なるし。姉ちゃんの、もう一つの仕事で取られてる所得税、それも還付金で取り戻せるねんで」

……うーむ。それを聞くだけだと、魅力的な話なんだけどなあ。

これまでは白色申告をしていました。
出版社の支払調書とレシートを合算して計算するだけだったけれども、青色申告となると、そうはいきません。

毎月、現金出納帳、銀行出納帳、総勘定元帳、売掛帳、買掛帳などの、さまざまな帳簿をつけ、レシート類を全部保管することが義務なのです。
確定申告も当然、今より煩雑になるわけですが。

「そやけど。記帳が面倒やし……」
「何言うとんねん! 姉ちゃん、経理やったやんか! こんなん、簿記2級あったら、ちょいちょいとできるもんやで! 大体、これから、作家としてやっていこういう人間が、そんな弱気なことでどないすんねん! 観念して青色申告しいや!」
「……そ、そうかな」

思いがけない妹の剣幕に押される私。

「いざとなったら、廃業届出したら、それでしまいやねんから。気楽にしてみいや」とも言われ、渋々青色申告申請手続きについて調査。

「青色申告申請は審査がある」という噂もあるので、心配になって、税務署に問い合わせてみました。

相談センターの女性によると、今は税務署に行かなくても、インターネット上から、申請書類をダウンロードして、所轄の税務署に郵送するだけで手続きできるそうです。

「著述業のような普通の業種の申請なら、大丈夫。青色申告は、よっぽど怪しい業種以外は通りますからね。問い合わせがなかったら、通ったものと思っててください」

問い合わせがなかったら通ってる……って。
「青色申告申請受理通知」が来るのが普通じゃないのかな。

それにしても「よっぽど怪しい業種」って何?
……税務の世界の闇は深い。
あまりつつくと、こちらが危ないから、これ以上詮索はやめよう。

申請書を送った後、しばらくして、税務署から茶封筒が届きました。
「申請不受理か?」と緊張しながら封を切ると、『青色申告無料記帳指導のお知らせ』……???

初めて青色申告する人に、税務署から委託を受けた担当者が、帳簿のつけ方を指導するものらしい。
でも、昔、確定申告で、計算間違いで私に24万追徴した役所に指導されるなんて、大丈夫なのかしらん。

不安になった私は、同級生の税理士にメールを送りました。

『税務署の青色申告記帳指導って、信用できるの?』
『指導するのはプロの税理士だから大丈夫。がっちり儲けてください』

……プレッシャーかけてくれるなよ。

「最近、簡単にネットで商売できるからな。税務署は、そういうのを把握しときたいんやろ。これからは、主婦にも年寄りにも税務署は厳しくなるで。今のうちに、きっちり対策やっとかんとあかん」

母は紅茶をいれながら言いました。

「あんたの場合、取引先が、その時々で変わるし、売掛金や源泉の問題もあるから、これを機会に、ちゃんと基本から習った方がいいで。業種によって、経理のやり方が違うのは、あんたもわかってるやろ。私も青色申告やけど、不動産やから教えてやられへん」

そう諭されました。

私には、母のアパート経営のような、土地や建物の資産の計算は不要。
講師の妹のように、一つの取引先から毎月決まった日に報酬が振り込まれるわけでもない。
私の取引先は複数。
その時々で違うし、「原稿納品後翌々月以降振込」の曖昧な支払いが慣例の出版業界だし。

この記帳指導は、近畿税理士会が税務署の委託を受けて指導するそうなので、指導を受ける方は、本当に一銭も払わなくいいらしい。
ここは一つ、がんばってみるか。

そう決心すると、不思議と心が晴れ晴れとして、「経費で落としちゃえ」と、人付き合いや自己投資に積極的にお金を使えるようになりました。

「一応、青色申告してる個人事業者だから。」と、時間とお金の使い方を真剣に考えるようになりました。
時間の使い方は、今までも真面目に考えていたつもりだったけど。
「時間は資産」の概念が、より一層強くなり、お金に関しては、金額に関わりなく「生き金」「死に金」という考え方をするようになりました。

何よりも、前より、少しだけポジティブになれたのが、収穫だったと思います。

さて、残る問題は、肝心の「青色申告」ですね。
ラベル:確定申告
posted by ゆか at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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