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2010年04月20日

Gマークは変わるのか?

4月に入り、そろそろ今年のグッドデザイン賞がスタートする頃。
 

 

『グッドデザイン賞公式ブログ』をのぞくと……

『4月からスタートする2010年度グッドデザイン賞の審査委員長が決定しました。審査委員長:深澤直人氏』

えっ、あの深澤直人氏が、グッドデザイン賞の審査委員長? 
これは驚いた。

武蔵野美術大学教授、多摩美術大学客員教授で、私が気になっているデザイナーの一人。

傘を閉じて杖のようにしている時、荷物を引っ掛けてもずり落ちないように、傘の柄にくぼみをつけた美しい傘や、ペン軸とリフィルを自在に選べるシンプルな「リフィルペン」は持っています。
グッドデザイン賞金賞に選ばれた、水滴の形をした美しい加湿器にも憧れていますが。

面白いので、深澤直人氏のブランド『±0』サイトをのぞいてみました。

「加湿器」「扇風機」「携帯電話」「ノートパソコン」……グッドデザイン賞受賞商品ばっかりだなあ。

その他、「取っ手がちょっと四角くて二本の指が入るサイズの、一見普通の無地のマグカップ」
「建築現場の目隠し用仮囲いネットで作った鮮やかな色のトートバッグ」
「躊躇せず地面に直置きできるゴムの靴底がついたバッグ」
「スパイスをリズミカルに楽しく振りかけるマラカス型塩・胡椒容器」
「角を丸めて優しさを出したカード電卓」
「コピー用紙500枚と同じ大きさで、本棚の中に立てておけるA4ライト」
……楽しいものが多いですね。

『私は、すでに存在しているはずの共有感覚を探そうとしています』

……サイトに載っている深澤氏の言葉によると、±0の商品で「ありそうでなかったもの」と言われることが多いそうです。

「±0のデザインができる前から、「こんなものが欲しい」という共通のイメージが深澤氏とユーザーの間にあり、深澤氏は、そのありそうでなかったものを、ユーザーの代わりに提示しているだけ」という不思議な話。

……それにしても「ありそうでなかったもの」。
どこかで聞いたことがある言葉。

『±0は、世界中のお客様に向けて、生活行動と空間にしっくりと溶け込む(腑に落ちる)モノを手に届く価格でお届けすることで、暮らしの中にちょっとしあわせな感じを創造し続けてまいります』

このメッセージと似たようなものを、どこかで見たような……
そうか。無印か。

『無印良品』サイトによると、無印良品は今から30年前、1980年に誕生しました。
当時の日本の商品は、高価な海外ブランド品か、「安かろう悪かろう」の粗悪な商品という極端な状況。

包装や無駄な工程を徹底して省き、合理化することで、「訳あって手頃な価格」のコンセプトでスタートした無印良品でしたが、その後、「素材の美しさを大切にし、ユーザーに自由な使い方をする余地を残す」と「ユーザーの意見を積極的に取り入れる」方向で商品開発をするようになり、その企業姿勢が、今も多くのユーザーの支持を得ているわけです。

ちなみに無印良品は、昨年、「くらしの良品研究所」を作ったので、私も参加しました。
これまでも無印は、ユーザーの意見を積極的に取り入れて、「ありそうでなかったもの」の商品開発をしてきていたのですが。
「くらしの良品研究所」は、インターネットを使って、さらにそれを加速させるもの。

『「くらしの良品研究所」と名づけたこの“ラボラトリー”は店舗とインターネットを介してお客様と対話をしながら、商品を育て、世界のより多くの人々に「これでいい」と共感していただける、感じ良いくらしのかたちを考えていく場所です』

「共感」……±0と似た言葉が出てきましたね。 

面白いことに、無印良品がグッドデザイン賞受賞した商品の中に、深澤直人氏デザインのものが、意外にたくさんあります。

「空気清浄機」「冷蔵庫」「ブック型CDプレイヤー」「ジャー炊飯器」「シュレッダー」「リフィルペン」などなど。

さらに、深澤直人氏のデザインブランド『±0』そのものが、「(株)タカラ、プロダクトデザイナーの深澤直人、(株)ダイヤモンド社の三者が、市場に応じた製品開発プロデュースを行なう共同プロジェクト」として、2004年度、新領域デザイン部門のグッドデザイン賞を受賞していたりするんですね。

これは今回、過去のグッドデザイン賞受賞作品を全部見ることができる『グッドデザイン・ファインダー』で調べて、初めて知ったのですが。

ユーザーと対話を重ねて「ありそうでなかったもの」をデザインする無印と、直感的に「ありそうでなかったもの」をデザインしてしまう深澤直人氏。

……この対比は、非常に興味深いですね。

同じ「消費者と製作者が共感する美しいデザイン」をめざしている無印良品と±0ですが、シンプルに徹して「日本伝統の「素」の美しさ」を指向する無印と、同じシンプルでも、やわらかい曲線と明るい色、人を和ませるユーモアのあるデザインを指向する±0。
それぞれが微妙に違う方向に進むようです。

ところで、今、日本のプロダクトデザインは、アジア諸国、特に韓国やタイなどの猛追を受けている状態。
経済状態もよくないし、物は売れない。

2008年半ばから、グッドデザイン賞公式ブログも更新頻度が減りましたし、デザインの世界は追いつめられていると感じます。

そこにグッドデザイン賞審査委員長として登場した、「消費者との共有感覚」を追求するデザイナー、深澤直人氏。

これからのグッドデザイン賞をどう変えていくか、ちょっと楽しみです。 
posted by ゆか at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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