この本の定義では、「残念な人」は、「ダメな人」とは、違い「やる気も能力もあるのに、仕事がうまくいかない人」のことらしい。
著者は、複数の会社を経営しながら、企業の事業再生コンサルタントをしている。
その経験から「残念な人」の分析と、その対処法を提言したのが、この本だ。
著者は、顧客を取り逃がす営業マン、行列ができているのに儲からない飲食店などの、具体的な「残念な」人や店の例をあげ、その原因を「プライオリティ(前提条件・考え方・目標)の認識間違い」と分析している。
確かに「努力すること」は尊い。
しかし「間違った方向の努力」は、どんなに努力しても「ムダな努力」に終わってしまう。
……私の経験からも、それは間違いない。
この本には、同僚や上司、顧客と、きちんとコミュニケーションができ、効率的に仕事ができる「プライオリティ(優先順位)づけの方法」が、数多く具体的に書かれている。
特に最終章、「人生を残念にしないためのプライオリティ」を決める方法として出てくる、「やりたいことを明確化するための、嫌いなこと・やりたくないことリスト」は興味深い。
私は、これから本格的にはじめる執筆の仕事で、「書籍か雑誌か、活字かWebか、ネットか携帯か、どこに自分の活動拠点をおくか」で迷っていた。
深刻化する出版不況とデジタルメディアの台頭を見ると、どうしていいかわからない。
そこで、「執筆の仕事をする上で一番やりたくないこと」を紙に書いてみると、予想外の答えが出てきた。
「自転車操業」。
自分でも気づいてなかったが、私は「どのメディアで仕事をするか」には、意外に執着がないらしい。
活動拠点の方に執着して、あやうく方向を見誤るところだった。
一番迷っている時に、この本に出会った私は、運がよかったようだ。
『残念な人の思考法』 山崎将志 著 日本経済新聞出版社
ラベル:努力
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