物書きとして今後の進退に関わる問題なので、大雑把には理解しとかないと。
2010年2月15日付『Business Media 誠』に、調査会社ORIMOが2010年2月9日から2月13日まで実施した、18歳以上の男女を対象にした「電子書籍について」のインターネット調査結果が載っています。
回答者は男女667人。
「電子書籍を読んだことがある」が61.8%。
……意外に多いな。
複数回答で「読んだ機器」は「iPhone以外の携帯電話」が68.4%。
「PC」が44.7%、「iPhone」が32.0%。
「電子辞書」が6.6%。
「PDA」が6.3%。
「アマゾン・キンドル」は1.5%。
……なるほど。ここにiPadが加わるから、「電子書籍時代到来」と言われているんですね。
電子書籍購読経験は、「無料の電子書籍のみ」が59.0%。
「有料の電子書籍のみ」が10.0%、「無料・有料両方」が32.0%。
……携帯で読む人が半数以上だから、「有料」といっても、それほど高いものじゃなさそうだ。
「読んだジャンル」は「コミック・アニメ」が77.9%。
「小説」が49.5%、「雑誌」が17.5%、「写真集」が17.2%、「その他」が11.7%。
……うーむ。かなりジャンルが偏ってるなあ。
「電子書籍は普及するか」の質問に「普及する」と回答した人は43.6%。
理由は「いつでもどこでも手軽に買える」
「本を買いにいく面倒がない」
「自宅に本を置くスペースの節約と省エネ、エコにもなる」など。
「普及しない」(18.9%)と「分からない」(37.5%)と答えた人、その理由は、「都市部と地方のネット環境格差」
「本の質感や読む際の状態などの風情がなくなる」
「電子書籍に出版社が積極的に見えない」
「装丁などが素晴らしい書籍がなくなる」
「教科書などは空いたスペースに書き込みしたり線を引いたりできない」など。
……今のところ、すべての本が電子書籍にとって代わられる可能性は低いですね。
さて、私も書き手の一人として、もっとも気になるのが「印税率」。
普通は、本の定価の5%〜10%、流行作家で13%と言われていますが。
電子書籍の印税率って、いくら?
……謎だなあ。
少し古いデータですが、『日経トレンディネット』、2007年7月27日の記事に「ケータイ小説が一冊売れた場合の出版社の取り分」の話が出てきます。
出版社は50%。
残りの50%は、ドコモやauなどの携帯電話会社と販売サイトが分ける。
ちなみに、普通の書籍の利益分配率は、出版社が60%〜70%、取次が10〜20%、残りが書店です。
ということは、出版社の収益が減る分だけ、印税率も下がる?
『毎日jp 毎日の本棚』2010年6月10日の記事によると、講談社は、作家の京極夏彦さんの小説『死ねばいいのに』を、新刊単行本と電子書籍で発売すると発表。
『価格は紙の本1785円に対し、アイパッド版は900円』とありますが。
確かに、印刷代や本を保管する倉庫代、本の輸送費などの流通経費が減るし、取次や書店の利益も上乗せする必要がないから、電子書籍の単価が本より安いのはわかります。
定価が下がって、もし印税率が同じだと、本一冊あたりの作家の取り分は減ります。
電子書籍の普及で作家は貧乏になる?
電子書籍については、今後も継続して調べていきたいと思います。
ラベル:電子書籍