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2006年04月11日

初心者(前編) 初心者の心得

4月……新年度に入って、武道をはじめようと思われている方も多いと思います。私の通う道場も、春になると、新しい方がたくさん来られます。
初心者の方が、不安と期待の入り混じった表情で、おそるおそる稽古をされているのを見ると、5年ほど前、初心者だった自分を思い出しますね。

私の場合は、合気道をはじめる前に、夫(武道13段、空手と剣道は指導員経験あり)から、「あらゆる武道に共通する初心者の心構え」を聞かされました。

『有段者は常に見ている。やる気を見せろ』……「大概の武道で、初心者が10人いたら、段取れるのは、そのうちの1人か2人や。有段者は、本気で武道やる気があるんか、いつも初心者を観察しとるんや。有段者に自分から声かけて、積極的に組み手をお願いしたりして、自分の本気をアピールせんと、有段者は、本気で技を教えてくれへんで」

私が初心者の頃、なかなか初心者と組み手してくださらない有段者が何人かいました。
初心者としては、組み手してもらえないことは辛いのですが、最近、自分が有段者に近い位置(上級者)になって、その有段者の気持ちが、なんとなくわかるようになりました。
一生懸命教えても、やめていく初心者をたくさん見ているうちに、その初心者の「やる気」が本物なのか、確信するまで、遠巻きに注意深く観察する……そういう態度になるのでしょう。
初心者の方は、勇気を出して「お願いします!」と有段者に声をかけましょう。

『有段者の言うことを素直に聞く』……「まずは、正しい「型」を覚えることや。「型」は、いろんな人が研究した結果の、一番合理的な動きやねん。まず、きっちり「型」を覚える。自分流に変えていくのは、完全に「型」をマスターした後や。お前の場合、我流の癖はあるけど、ちゃんと本で勉強しとったから、ほんまもんの実戦経験だけの「我流の癖」、例えば、利き手しか使わんような、どうしようもない癖はついてへん。修正できる程度の癖やったのは、ラッキーやった。癖取るのに半年ほどかかるやろうけど、1年たてば大化けする」

我流には限界がある……それは、子供の頃から「身を守るため」に、独学で護身術を学んで、実地で人を殴ってきた私には、よくわかります。
意識的に両手を使うように、家で練習しても、実戦となれば、どうしても利き手中心になるのも、正直不安でした。

『一日休めば三日遅れる』……「ちょっと稽古をサボっただけで、すぐに動けなくなるものや。毎日、足さばきとか、手の動きなんかの、できることでいいから、家でも稽古しとけ。イメージトレーニングもいいぞ」

うちの台所は、ダイニングセットがありません。
テーブルや椅子を置くことを、夫が反対したので。
3畳ちょっとの空間で、夫が空手の型稽古をしたり、私が合気道の足さばきの稽古をしたりすることができるのです。

『見込みのない者は叱られない』……「お前の場合、最初から「段取る者」として、合気会の有段者は見るはずや。他の、白紙の状態の初心者と違って、我流の癖あるし、極端な左利きで、動きがアンバランスなのも見抜くはずや。他の初心者と違って、山ほど叱られるし、山ほど宿題出されるやろうけど、素直にありがたく、有段者の言うことを聞け。最初から、そこまで合気会の有段者が「本気」になってくれることを、感謝するんやで」

確かに、合気道をはじめた頃、他の初心者と違って、私に対する有段者の態度は、とても厳しかった(詳しくは『合気道へ』中編にて)。
夫の事前のアドバイスがなければ、最初の段階で、私は挫折してましたね。
普通の初心者は、こういうアドバイスなしで武道をはじめてしまうので、すぐに壁に突き当たってしまい、大変だと思います。

今回は武道をやってみたい人のために、「初心者」をテーマにコラムを書いてみます。
次回は、実際に初心者の前に立ちふさがる「壁」について。


……次回に続く……







ラベル:合気道 稽古 心得
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