著者は東レ経営研究所社長。
著者が課長に昇格した時に妻が肝炎と鬱病を患った。
さらに、自閉症の息子を含む3人の子供を抱えて、その世話をしながら精力的に仕事を続け、社長にまで登りつめた人物。
最近「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が、よく使われるようになったが、著者は、仕事と家庭のバランスをうまくとりながら成功した先駆者だ。
この本は、そんな著者が、架空の新任課長「石田君」に、元上司として、アドバイスの手紙を書いた形になっている。
著者は、家族のために18時に退社しなければならず、課長として部下を育てながら、極限まで仕事の効率を高めようと、『仕事の進め方十か条』を編み出した。
「まず仕事の計画を立て優先順位を決める」
「一番効率的な方法を選ぶ」
「計画のフォローアップの徹底」
「結果主義」
「事務処理、管理、制度、資料はシンプルが最良」
「整理整頓主義」
「常に自分より上位者の視点を」
「自己主張は明確に、他人の意見をよく聴くこと」
「自己研鑽に励む」
「自分を大切にすることは人を大切にすること。楽しく仕事すること、健康に気をつけること、年休をとること」
極限まで仕事の効率化を進めるために、部下に1週間の業務内容と所要時間をまとめた計画書を作成させ、1週間後、実際にかかった時間を、最初の計画と対比させる。
これを繰り返して、仕事のスピードを50%アップさせることに成功した。
口で言うのは簡単だが、なかなか実際にできることではない。
『課長にとって一番たいせつなのは、何かを成し遂げようとする「志」であり、なんとしても部下を育て上げるという「志」なのです。これさえあれば、スキルやノウハウは後からついて来るのです』
文章はわかりやすく、行間からは、家族を愛する著者の人柄の温かさがにじみ出ている。
こんな上司を持てた東レの社員が、うらやましいと思った。
『そうか、君は課長になったのか。』 佐々木常夫 著 WAVE出版
ラベル:課長
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ホントにそう思います。
「まず仕事の計画を立て優先順位を決める」
私はこれがおろそかになりがちです。
本の内容は素晴らしいですね。これが実践できたなら・・・、ぜひ読んでみたいです。(いい本は何回も読むと更にいいんです。だから、本で読みたいのです。)