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2010年10月19日

2010年のGマーク

今年もグッドデザイン賞が発表されましたね。
 
 
3136件の応募に対して受賞は1110件。

その中から特別賞が選ばれるわけですが、毎年これが楽しみなんです。

今年の特別賞の内訳は、中小企業の受賞対象の中で特に優れているものに贈られる中小企業庁長官賞が14件。
地域経済の活性化、社会一般の福祉の増進など、経済・社会の発展に寄与するものに贈られる日本商工会議所会頭賞が1件。
地球環境問題をふまえ、持続可能な社会の実現をめざすものが受賞するサステナブルデザイン賞が3件。

ロングライフデザイン賞を受賞した、無印良品の「アルミステーショナリーシリーズ(アルミカードケース、アルミシャープペン、アルミボールペン)」
「クラフトステーショナリーシリーズ(らくがき帳、メモパッド、封筒)」
「自転車」「壁掛け式CDプレーヤー」「ポリプロピレン収納ケース」
「スチールユニットシェルフ」「脚付マットレス」。

この7つがまとめられて「良品計画の商品展開」として、生活者の支持を得て一つの「様式」になるものに贈られるライフスケープデザイン賞の3件のうちの1件に選ばれました。

審査委員長特別賞は1件だけですが、この「日本発の新たな学術領域 システム・バイオロジー」は、フロンティアデザイン賞を受賞したもの。

私が今年、特に注目しているのが、このフロンティアデザイン賞。
現在の技術の延長線上の「まだ実現されていない未来」を評価し推奨する。
2009年度創設の新しい賞です。

審査委員長特別賞とダブル受賞の「日本発の新たな学術領域 システム・バイオロジー」とは、科学者北野宏明氏が提唱した「生命現象をシステムとして理解する」、日本発の新たな学術領域として国際的に注目されているサイエンス分野。

フロンティアデザイン賞を受賞したものは、他に7件。

「床面サインとスマートフォンを利用した駅空間案内システム(東日本旅客鉄道株式会社)」とは、スマートフォンを駅の床面サインにカメラをかざすと、施設情報や地図など、詳細な案内情報が提供されるサービス。
GPSが使えない地下の駅でも有効です。

「脳科学による人間指向ソリューション(株式会社日立製作所)」は、小型・携帯化した脳計測装置の開発と、脳科学を活用した製品の審査制度を策定。
私たちが体重計で健康管理をするように、手軽に脳の状態を簡単に把握し、健やかな日常生活を維持することが目標。

「パーソナル モビリティーXFV(国立大学法人名古屋工業大学木村研究室)」は、正面から見た時、フレームが「X」に見える卵形の電気自動車。
フレームは可変型。
道幅や速度、駐車スペースに合わせて、車そのものを大きくしたり小さくしたりできる便利なもの。

産学協同ソーシャルデザインプロジェクト「震災+design〜デザインは何が可能か(株式会社博報堂)」は、デザインを「美と共感で人の心に訴え、社会に幸せなムーブメントを起こす行為」と定義。
全国44名の大学生が「首都直下型地震発生。約300名が小学校体育館に緊急避難中」という状況を想定。
デザインを使って、水、食糧、医療、人間関係などの課題解決に取り組んだもの。

「いきものにぎわうまち(鹿島建設株式会社)」は、都市部の生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するため、ニホンミツバチ、ヤギ、ベンケイガニ、シジュウカラの4つの指標種使って、小さな緑地をネットワーク化して生物多様性を保全。
生物多様性の価値を、わかりやすく都市生活者に伝えることを目的とするプロジェクト。

「フレキシブルCIGS太陽電池(独立行政法人産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 化合物薄膜チーム)」は、超薄型で高い電圧を取り出すことができて、しかも軽く、曲げることもできる高性能太陽電池。

「水撃圧」で水中の微生物を瞬時に破砕して、水質の悪化を防ぐ技術「水撃現象を応用したアオコ処理に関する研究(日本大学生産工学部土木工学科遠藤研究室 )」。

……それぞれ、実用化が待たれるものばかりです。

そして、今年も話題になっているのが、11月10日発表の「グッドデザイン大賞」ですね。
その候補になっている「グッドデザイン賞ベスト15」をあげてみます。

「電子ドラムDTX950K(ヤマハ株式会社)」
「エアマルチプライアー(ダイソン株式会社)」
「電気自動車「日産リーフ」の普及とゼロ・エミッション社会の推進のための包括的な取り組み(日産自動車株式会社)」
「ハイブリッド乗用車CR−Z(本田技研工業株式会社)」

「BP−201、SQ−3000/2500/2000AS等の小型貫流蒸気ボイラを組み合わせた蒸気供給システム(三浦工業株式会社)」
「ヒビヤカダン日比谷公園店(株式会社日比谷花壇)」
「カプセルホテル9h(株式会社キュービック)」

「歯科要超音波洗浄器Vibringe(Vibringe BV)」
「汎用超音波画像診断装置FAZONE CB(富士フイルム株式会社)」
「レンズ交換式 デジタルカメラEマウントレンズ商品群“α” NEX−5/NEX−3  レンズ交換式デジタルHDビデオカメラレコーダー“"ハンディカム"NEX−VG10(ソニー株式会社)」

「ハイビジョン液晶テレビ ブラビアNX800シリーズ(ソニー株式会社)」
「教育用ノートパソコン Latitude2100(Dell Inc)」
「モノクロ複合機コニカミノルタ bizhub423/363/283/223(コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社)」

「エンターテイメントプロジェクトデザイン「AKB48」(株式会社AKS)」

……mixi「グッドデザイン賞」コミュニティでも、この劇場を拠点とした美少女アイドルのエンターテイメントビジネスの受賞に対して、戸惑いの声が聞かれましたが。

グッドデザイン賞は、1957年に旧通商産業省が創設しました。
その当時は、「産業振興のために、プロダクトデザイン(工業製品)の美しさと機能を高める」意図があったようです。

創設以来、50年以上に渡って選ばれ続けてきた「グッドデザイン」。
そのほとんどが工業製品だったために、消費者には、工業製品以外の「グッドデザイン」が想像しにくい状態。

ところが、創立50周年を境に、「グッドデザイン(Good design)」の定義が、最初の「優れた意匠・図案・下絵・素描・模様・ひな形・設計・構想」に加えて、「着想・筋書・計画・企図・意図」まで、範囲が広がったために、今も混乱が起きているんでしょう。

このあたり、選考委員会が「グッドデザインの定義」を、消費者に向けて、もう少しわかりやすく説明してくれると、ありがたいんですが。

ちなみに、私がグッドデザイン大賞を受賞してほしいのは、「宇宙実験施設「きぼう」日本実験棟(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)」。

「はやぶさ」もそうですが、日本の宇宙開発技術の進歩は、なんだかワクワクしてくるんですよ。
元気のない今の日本に、勇気や「希望」を与えると思います。

……しかし、私の大賞予想は、毎年はずれてるような気がするなあ。

まあ、それでも、11月10日の大賞選出会は、楽しみです。
posted by ゆか at 16:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よくカタログに付いているGのマークを見ますが、こういう内容だったのですね。
たしかにGのマークがついていると、工夫された商品であると感じることが多いです。
必要もないのに欲しくなってしまいます。
出品数と受賞数の比率から見ますと、出品段階でかなり絞られているように思いました。

形だけではなく、企画なども考慮されるとあっては、世の中の情勢も反映されているはず。
だとすれば、カタログからも色々な事が読み取れるのではないか。などと余計な事を考えてしまいました。
文具などのカタログを見るのは楽しいのです。
ただ、変わってほしくないもの、もっとかゆい所に手が届くようにしてほしいもの、人によって違うと思いますが。


大賞はこれから発表になるのですね。
確かにきぼうが日本の希望であるかも知れません。世界的アピールは高いですし。
また、エコ関係もアピール度が高そうなので、そっち系という気もします。

Posted by コハント at 2010年10月25日 03:39
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