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2006年04月22日

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』

そもそも「さおだけ屋」とはいったい何者なのだろうか?子供の頃から不思議だった。
「たーけやー、さおだけ!」の声を頼りに、何度か自転車で追いかけたが、住宅街で、声があちらこちらに反響して位置がつかめず、いつも追跡は失敗。
いまだに私は、その姿を見たことがない。

私の周囲でも「猛スピードで走り去る物干し竿を積んだ小型トラック」を見た人が数人いるだけで、買ったことのある人はいない。
買う人がいないと商売にならないはずだが、なぜか今も半年に一度、突然現れる。
最近では「古い物干し引き取ります」と魅力的なこと(粗大ゴミ回収は予約制。運が悪いと数ヶ月待ちになる)を言うところをみると、商売をする気はあるらしい。

先日も、声がしたので家の外に出たが、姿がない。
また逃げられたか。

「幻のツチノコ」のような「さおだけ屋」。
どうやって儲けているのだろうか?
公認会計士の著者は、会計学を駆使して謎に挑む。

著者は新聞記事と目撃証言から2つの仮説を立てた。
「さおだけ屋建築業者密約説」と「さおだけ屋金物屋副業説」だ。

建築業者密約説は「さおだけを設置する時、土台の劣化などを指摘し、建築業者を紹介してマージンを受け取る」。
金物屋副業説は「積み込んでおいた物干し竿を、配達のついでに売る」というもの。

この本では、こうした身近な疑問を例に会計学の解説をする会計学の入門書。
わかりやすく面白い。
「数字に強くなくても数字を読む「センス」があれば会計はわかる」とあるが、確かに会計は、電卓を使っての四則演算だけなので、方程式や微積分はできなくてもいい。
「文系どまんなか」の国文卒の私でも、経理をやれるのだ。

しかし、肝心の「さおだけ屋」の正体は結局わからなかった。
この本は、会計学の入門書で「さおだけ屋業界潜入密着レポート」ではないからだ。

しかたがない。
うちの物干し竿も古くなったことだし、今度、さおだけ屋が現れたら、なんとしても捕まえてやろう。


『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』 山田真哉 著 光文社新書


posted by ゆか at 10:42| Comment(1) | TrackBack(1) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントありがとうございました。
文章力の無いブログで恥ずかしい限りですが、また遊びに来てください^^;

ゆかさんの文章はやっぱり勉強になりますね^^好きなブログがまた増えました。

これからもよろしくお願いします
Posted by venture70 at 2006年04月25日 23:48
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Excerpt: ずいぶん前からこの本がベストセラーになっているのは知っていましたが読む機会がなかったんですね、というかなんか会計の本って苦手意識があるのか遠ざけていた気がします^^;でもでも一昨日本屋で何気なく手に取..
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Tracked: 2006-04-22 23:01
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