どこの家にも鋏がありますが、今使っているその鋏、あなたにとって「適正」ですか?現在「日常生活上質化計画」の中で、暗礁に乗り上げているのが、鋏部門。
台所、寝室、リビング、洗面所など、それぞれの場所の用途に合った、使いやすい鋏を1丁ずつ置き、これまで使っていた古い安物の鋏を全部処分する……ところが、これがなかなか進まない。
鋏を真剣に選ぼうとすればするほど、泥沼にはまっていくようで。
これをはじめたきっかけは、20年以上愛用していた鋏(小学校時代の家庭科の裁ち鋏)が寿命になったこと。
よく「布切り鋏で紙なんか切るな」と言われますが、使ってみると、手の大きな私にぴったりで、紙でも布でも切れるので、紙しか切れない鋏より便利。
まず『鋏読本』(佐野裕二著・新門出版社)によると、私の鋏は江戸末期に輸入された「羅紗切り鋏」。
この本は昔の本ですが、文具鋏、キッチン鋏、華道鋏、盆栽鋏、金切り鋏、手術用鋏、美理容鋏……あらゆる「鋏」が写真つきで紹介されていて面白い。
『鋏を分解して刃を研ぐ』話が出た時、「私の鋏も刃を研いだら、もっと長生きしたのに」と、残念に思いました。
次に『とんちんかん道具館』(朝日新聞日曜版編集部編・朝日新聞社)によると、フィスカース社は「大人左利き用鋏」を発売している。
「大人左利き用」は、右利き鋏に慣れた左利きの大人のための鋏で、右利き用の刃に左利き用の柄がついているもの。
私は左利きですが、鋏も右手に矯正されているので、右利き用鋏でいいや。
そして高畑正幸氏(TVチャンピオン文具王)は、『究極の文房具カタログ・マストアイテム編』(ロコモーション・パブリッシング)で、はさみ選びの条件として、「先端がきちんと揃っていること。指をはめる穴が自分の手に合っていて長時間持っても疲れないこと。刃の反りが小さく無理な力で擦り合せていないこと。できれば止めネジを締め直せること」をあげています。
……うーむ。だんだん大がかりになってきたぞ。
私は手が大きく指が長いので、指をはめる穴が合うものが、まだ見つかりません。
しかも羅紗切り鋏を使う時の、大きい方の穴に指を3本入れる癖がどうしても直らないし。
コクヨのユニバーサル・デザインの『テピタ』、オープンハンドル・タイプ。
鋏の柄の片方は、輪になっていて穴があるけれども、もう片方は、柄が鋏の刃の部分から突き出て、先端が2つに分かれる奇妙な形。
「どんな持ち方もできる」が売り物らしい。
あれはどうかなあ……
以前、ユニバーサル・デザインのフォークとスプーンを店で見かけて、手に取ったことがあるのですが、両方とも、柄の握り部分の太さが妙に太くて握りにくいし、重心が思ったより真ん中にあるので持ちづらい。
ユニバーサル・デザインは「どんな人にも使いやすい設計」のはずですが、私は「どんな人」の数に入っていないらしい。悲しかった。
(結局、フォークとスプーンは、カイ・ボイスン社(デンマーク王室御用達)のステンレス製を選びました。やれやれ)
フォークとスプーンは失敗だったけど、鋏はどうかな?
実は鋏計画の大きな障害は「鋏の見本を店頭に並べて、柄を持った感触や重心の位置や切れ味、スムーズに動かせるかなどを、実際に確かめさせてくれる店がない」ということ。
『テピタ』には興味があるのですが、「見本」として実物が置いてある店は、今までありませんでした。
プラスチックの箱に入ったまま並んでいたり、箱ごと鍵つきのガラスケースの奥に鎮座していたりするので、店員に「試したいので出してください」とは言いにくい。
「面倒くさい。買うてまえ」というのが一番簡単なのですが、鋏は意外と長持ちする道具。
焦って買って失敗すると、ずっと、その「失敗」とつき合うハメになります。
しかし、このままでは「木屋や有次などの刃物の名店に出かけて高価な羅紗切り鋏を買い、自分で刃を研ぎながら30年使う」方向に向かってしまいそうです。
……どうしよう。
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2006年05月09日
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