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その中の人気トピックの一つが、「最強のボールペンは?」。
ここで最近「ジェットストリームを超える最強ボールペン」と噂になっているのが、ぺんてるの「ビクーニャ」。
2006年に発売されて以来、超・低摩擦インクの油性ボールペン「ジェットストリーム」は、なめらかな書き味でロングセラーを続け、いまや定番ボールペン。
筆圧が高く不安定な私でも安心して字が書ける。
お気に入りのボールペンですが。
その三菱鉛筆「ジェットストリーム」に挑戦するかのごとく、「世界一なめらかな書き味」をうたって、昨年登場したのが、ぺんてるの「ビクーニャ」。
『ペんてる株式会社』サイトによると、開発コンセプトは「上質なボールペン」。
名前の「ビクーニャ」は、きめ細やかで「繊維の宝石」とも呼ばれる最高級の毛織物。
『未体験の世界一の滑らかさと最上質の美しさを実現したのがこのVICUNA(ビクーニャ)です』
……サイトには、開発者の熱き思いがみなぎっていますね。
この新開発のビクーニャ・インキの粘度は、従来の油性ボールペンインクの約1/40。
水性と油性インクの中間の性質を持つ特殊なもので、世界一の低粘度。
新着色剤の使用で色合いは濃く鮮やか。
ペン先のボールも改良して、紙との筆記抵抗値を15%低減。
『他社低粘度油性インキボールペンと比較しても、さらに低い。流れるような書き味を、ぜひ』
……この文章、「ジェットストリーム」に対する挑戦状とも受け取れますね。
うーむ。気になる。
というわけで、「ビクーニャ」を買って「最強ボールペン対決」。
面白いことに、二つのボールペンは同額の157円。
ペンの長さは「ジェットストリーム」が3ミリほど短い。
両方とも黒を選んでみたのですが、「ジェットストリーム」は黒一色の流線型。
白いラインがアクセント。
軸には滑り止めの黒いゴムつき。
デザインを一言で表現すると「実直」。
「ビクーニャ」も流線型ですが濃いグレーの半透明の軸。
ペン先とペン軸に薄いグレーのライン。
滑り止めの細かい波模様は入っていますが、ゴムはついていません。
デザインは「瀟洒」。
書き味。
「ジェットストリーム」は、ヌラーっとした感じ。
「ビクーニャ」は、わずかに軽くツルッとした感じ。
……書き心地は、もう、これは個人の好みになってしまいますが。
私は筆圧が途中で変わっても安定して書ける「ジェットストリーム」が好みかな。
『三菱鉛筆株式会社』サイトによると「JETSTREAM」とはジェット気流。
「今までにない程に途切れることなくなめらかに筆記ができる」ことから、名づけられたらしい。
顔料を含んだ発色が鮮やかなインクは、低粘度で速乾性が高いもの。
しかもインクの流出量が多い。
……同じ0.7ミリのボールペンなのに、「ジェットストリーム」の線が太く見えるのは、このインクの流出量の差のようです。
ちなみに、「ジェットストリーム」の黒インクは赤みがかっているのに対して、「ビクーニャ」は微妙に青みがかっている感じ。
インクの性質の違いかもしれません。
両方のサイトの商品プレスリリースを比較してみると、どうやら「ビクーニャ」はビジネスマンや若者向け、「ジェットストリーム」はビジネスマンだけでなく、低筆圧の高齢者までをユーザーに想定しているようです。
「実直で万人向けのジェットストリーム」、「瀟洒で軽快なビクーニャ」
……なかなかの好勝負だと思いますね。
ラベル:ボールペン