『仕事に進化系文具?』で、ご紹介したレイメイ藤井「ペンカット」。
これはペン型のハサミ。
時々、外出先で「ああ、こんな時にハサミがあったら」と思うことがあるんですが……
ハサミって、柄が邪魔になって、鞄の中で意外にかさばる文具なんですね。
ところが、このペンカットは違う。
発売元の『株式会社レイメイ藤井』サイトによると、『持ち手に柔らかいヒモ状の樹脂ワイヤーを使うことで、ハンドルを本体に収納出来てしまうのです。使う時は、スライダー(黒い部分)をスライドさせ、脇からハンドルを出します』
……うーむ。あやしい。
本当に樹脂ワイヤーなんかで、ハサミの柄の代用がつとまるのかな。
そこがちょっと心配で購入をためらっていたんですが。
ついに白の「ペンカット」を買ってみました。
ふうむ。確かにサイズはボールペンとまったく同じ。
ハサミの刃をカバーするキャップがついているから、ポケットに入れても安全。
使い方は、まず、キャップをはずしてハサミの刃の部分を出します。
スライダーと呼ばれる部分を柄の方にずらすと白い樹脂のワイヤーが飛び出し、それが輪状に変形。
これでペンからハサミに変身する仕組み。
「直径3ミリ程度の樹脂ワイヤーで大丈夫か」と心配でしたが、意外にしっかりしていて、ちゃんと紙が切れます。
「ペンカット」は携帯に便利なだけではなく、「セパレーター」と呼ばれるパーツを左右逆に付け替えると、右利きハサミから左利きハサミに変貌し、しかも捨てる時は金属部品とプラスチック部品に完全に分別できる設計。
……なかなかやりますね。レイメイ藤井。
使い心地は……
「突然ハサミが必要になった時は便利。でも、「このハサミで新聞記事のスクラップを1時間やれ」というのはご勘弁願えますか」という感じ。
私は標準的な日本人女性より手が大きいからなあ。
携帯性と使い心地を一致させるのは難しい。
ここで唐突に思い出したのは、大昔に流行った携帯文具「チームデミ」。
若い方はご存知ないと思いますが。
昭和末期に一世を風靡した文具。
確か、文庫本ぐらいの大きさのケースの中に、ものすごく小さなハサミやホッチキス、セロテープや定規がセットになっていて、色は赤だったかな?
当時結構高かった気がする。
学校で友達に貸してもらったけど、ハサミが小さすぎて、うまく紙を切れなかった記憶がある。
……なつかしいなあ。
今は販売されていない「チームデミ」ですが、『いかに沢山の種類の「物・もの・モノ・mono」を持ち歩くことができるか?を調査・研究・実践する仮想研究機関』、『四次元ポケット研究所』サイトに写真入りの詳しい解説があります。
このサイトは世界唯一のカード文具サイトで、昭和60年代から平成初期の幻の文具も紹介されているので楽しい。
このサイトによると、チームデミは1984年、PLUSが発売。
当時の価格で2800円。
やっぱり高かったか。
写真のケースは赤で、サイズは85×118×36mm。
この中に赤い小さなハサミ、のり、ステープラ、カッター、メジャー、テープ、スケール、クリップケースが、ちまちまと幕の内弁当のように入ってる。
かわいいデザイン。
平成のはじめには見かけなくなっていたから、やっぱり小さすぎて使いにくかったのでしょう。
ちなみに『STATIONERY MAGAZINE 006(エイムック)』の「ミニ文具特集」は……
この「ペンカット」の他に、ペン型の修正液のゼブラ「ケシスティック」や消しゴムのトンボ「モノゼロ」。
消しゴムと同じサイズのミドリ「コンパクトホッチキス」や、コクヨ「ドットライナープチ」などを紹介。
結局、使い勝手と携帯性が両立できる文具のサイズは、ペンや消しゴムのサイズということで落ち着くのかもしれませんね。
ラベル:ハサミ