この本に載っている文具を買うと、「たちまち事務作業効率が3倍になる」「すばらしいアイデアが、どんどんわいてくる」というわけではないが。
「文房具の使いやすさに、楽しさや心地よさが加わってこそ、仕事のパフォーマンスが向上する」をコンセプトに、土橋さんが「楽しく心地よく、仕事がはかどるもの」として選んだ101の文具が、その特徴や使い方のヒントとともに、美しい写真で紹介されている。
興味深いのは、土橋さんは原稿を万年筆で原稿用紙に書き、それを音声入力ソフト「Ami Voice」で読み上げてパソコンに取り込み、データ化すること。
私とは逆だな。
私はWordに原稿を打ち込んで、それを印刷、読み上げて校正している。
ただパソコンに打ち込んだだけの文章より、読みやすくするためだが。
音声入力ソフトは盲点だった。
それにしても、パソコンで原稿を打てばいいのに、あえて万年筆を使う。
その万年筆も「TODOリスト専用」「原稿執筆専用」「原稿校正専用」と、まったく違う万年筆を使い、それぞれの書き味の違いを楽しみつつ、快適に仕事をする。
……いいなあ。
壁の時計をにらみながら、「こんな短い原稿に34分もかかるとは情けない」と、パソコン前で舌打ちしている私だって、本当は……。
ノートの紙の白さの微妙な違いや質感。
紙を切るハサミの鋭い切れ味。
削りたての鉛筆の涼しげな木の香り。
紙の上を走るボールペンの滑らかな感触などを楽しみつつ仕事をしたい。
いつかは、そうなるといいけれど。
この本は文具の写真が美しいだけでなく、ペンやノートなどのアナログな文具と、パソコンや携帯電話などのデジタルツールを、どう組み合わせれば快適に仕事をできるのかも提案している。
私にとってヒントが満載だったので、とてもありがたい本だった。
『仕事にすぐ効く魔法の文房具』 土橋 正 著 東京書籍
ラベル:文房具
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