この本が昨年……『電子書籍元年』に発売されて一年近くたつ。
出版業界だけでなく、通信、印刷など各業界の大手企業が、続々と電子出版事業をはじめた。
私の周りでも『電子書籍を出しました』という話を聞く。
この一年で何が起こったのだろうか。
『iPad vs.キンドル』の著者が、「その後の電子書籍」を追ったのが、この本だ。
電子書籍専用端末「GALAPAGOS」を直販し、TSUTAYAと提携して雑誌などの定期刊行物を主力に展開するシャープ。
KDDI、朝日新聞社、凸版印刷とともに電子書籍配信会社を立ち上げ、専用端末「ソニーリーダー」を発売したソニー。
コンテンツを集めて販売会社に卸売りする「電子取次」事業に参入した凸版印刷。
独自の電子書籍ストアを展開、店頭で電子書籍と紙の本の両方を売る紀伊國屋書店。
古今東西の書籍をデータ化し、広告をつけて収益を得ようと目論むグーグル・ブックス。
それぞれの端末に使われているフォーマットによって、電子書籍の「読みやすさ」が違うため、統一規格を策定しようとする総務省・文部科学省・経済産業省の「三省懇」。
iPad向け電子書籍の実質的な市場規模は、都内の大型書店1店舗分。
……うーむ。どうしたらいいんだろう。
最近『ventus』の電子書籍化を勧められることもあるが。
電子書籍にして読んでもらえるんだろうか。
一番短い「本読みコラム」で一話あたり800字。
一番長い「武道系コラム」で一話あたり6000字を超える。
これが加筆されて電子書籍の体裁になった時、読者にとって負担にならないだろうか?
本の最後に著者の体験が出てくる。
『iPad vs.キンドル』の電子書籍は、iPadが発売遅延し、AppStore(アップルの電子書籍販売会社)の内容審査に引っかかって商機を逃したため、あまり売れていないそうだ。
……うむむ。難しいなあ。
とりあえず、『ventus』の電子書籍化は様子見だな。
『電子書籍革命の真実』 西田宗千佳 著 エンターブレイン
【関連する記事】
- 『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』
- 『つくる仕事の一日』
- 『ずるい!ChatGPT仕事術』
- 『外資系コンサルが×AIのプロが教える 生成AI時代の「超」仕事術大全』
- 『ChatGPT攻略』
- 『実家スッキリ化』
- 『仕事でSNSを使いたいけど初心者の「やらかし」が怖いので弁護士さんに気になるこ..
- 『「AIクソ上司」の脅威』
- 『スピードも質も上がる!一生役立つ仕事術100』
- 『暮らしのヒント集3』
- 『インフレ・ニッポン』
- 『省エネのプロが教える みんなの節電生活』
- 『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』
- 『ウクライナ・ショック 覚醒したヨーロッパの行方』
- 『すぐやる人のビジネス手帳術』
- 『最新版 定年までに知らないとヤバイお金の話』
- 『キーワードでまるごとわかる投資の教科書』
- 『人生が変わる紙片付け!』
- 『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』
- 『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』