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2011年03月19日

『内需衰退』

このところ、大阪の北の玄関、梅田の街を歩くのがしんどい。

この界隈は阪急百貨店、阪神百貨店、大丸百貨店。
3つのデパートが隣り合って営業している。

阪急の建て替え、阪神はリニューアル、大丸は増床。

それぞれの百貨店が営業しながら改修工事をしているので、通行止めの場所が頻繁に変わり、人混みをかき分けて目的地に着くのが重労働なのだ。

で、3つのデパートが改修後に繁盛しているかというと、そうでもない。

さらに2011年5月、JR大阪駅前に三越伊勢丹百貨店が開業する。

……梅田の街、たった一箇所に、本当に4つもデパートが必要なのか?

著者は経済・金融ジャーナリスト。
小売・流通業界の激変と、その真相に迫るのがこの本だ。

この本によると

『全国百貨店売上高は1997年以来、13年連続の減少』
『全国チェーンストアの販売総額は2004年から6年連続減少中』
『全国ファミリーレストランの既存店売上高は1997年以降、12年連続減少』
『全国コンビニエンスストアの2010年8月の客単価は568円で21ヵ月連続のマイナス』

……よく、みんな倒産しないものだ。

これらの流通業は、景気低迷・少子高齢化の影響で消費者が「新・下流層」化(「現状維持・超低価格志向」)したのに、高度経済成長時代のままの商売を続けてきたため、苦境に陥ったのだと著者は言う。

梅田の百貨店新築改修ラッシュは、なんとか客を呼び戻すための起死回生の大博打らしいが……

先行きは明るくない気がする。

ところで、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震で関東・東北地方は大打撃を受けた。
しかも、関東・東北地方の物流が機能しないことが、「物不足」として徐々に全国に波及しはじめている。

ユニクロ、マクドナルド、松屋など、巧みなマーケティングで消費者をひきつけてきた「デフレ勝ち組」企業も、この先はどうなるかはわからない。

とりあえず、一日も早く物流だけでも正常化してほしいものだ。

『内需衰退』 須田慎一郎 著 扶桑社

posted by ゆか at 09:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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