『拝啓酷暑しのぎがたい折、皆様いがかお過ごしでしょうか……』
7月(文月)に入ったので暑中見舞い状の準備。
8月(葉月)までには仕上げないと。
「暑中見舞い? 今時メールの時代やんか。古くさいのう」というご意見もあろうかと思いますが、私の昔からの読者の中には、PCが使えない年配の方もおられるのです。
暑中見舞いは、夏の暑さで体調をくずす人が多いので、そのお見舞いをかねて、こちらの近況をさりげなく知らせる昔の人の奥ゆかしい知恵。
私の場合は、お見舞い兼最近の執筆活動の宣伝ですが、毎年、年配の方の達筆で優雅なお礼状をいただくので恐縮します。
暑中見舞い状は二十四節気『大暑』の期間、土用(7月20日)から立秋(8月8日)までに出すのがきまり。
立秋を過ぎれば『残暑見舞い』。
日本の夏は年々長くなるので「暑中見舞い期間」は6月からでもいい気もしますが、まだ新ルールが確立していません。
ついでに言うと、仲人さんへの中元歳暮も続けています。
「今時中元? もったいない!」と驚かれる主婦の方もおられるかもしれませんが、毎回先方から丁寧なお礼状をいただいていることだし、これからも続けることになるでしょう。
最近、こういう昔のしきたりは、若者に馬鹿にされる風潮が強いですが……私も若い頃は馬鹿にしていました。結婚するまでは。
結婚した相手が、空手4段剣道3段少林寺拳法3段大東流合気柔術2段柔道初段、空手着と畳と喪服が似合う古風な男だったのと、夫の親族に高齢者が多数いて、結婚後はやたらに葬儀告別式に出るはめになったことで、少し考えを変えました。
冠婚葬祭、特に葬儀の席上は、喪主も弔問客も「しきたり通り」に動いた方が、双方ともストレスが少ないようなのです。
「故人の遺志で」と、ピンぼけのスライドを見せられて、弔問客が戸惑う程度ならいいのですが、葬儀での喪主の対応の悪さがトラブルを引き起こしたケースもありました。
以前、夫と一緒に行った告別式でのこと。
火葬場へ故人のお見送り、そして、お骨揚げ……最近はこの間に「精進落し」として食事が出されるわけですが……これがまずかった。
会葬者が100人近くいたこともあって、予算が足りなかったのかもしれませんが、内容があまりにもひどかった。
ハマチの刺身が数切れ、漬物、さつま揚げ、南瓜や芋の煮物、ご飯は一人当て盛り切り1膳、酒はビール小瓶が1本……「なんやこれは!」と、大広間のあちらこちらで怒号がわき起こり、中には立ち上がって帰ろうとする老人も。
「大変粗末なもので申し訳ないのですが……」
喪主の挨拶も聞かず、会葬者たちは、がつがつと料理を食べ終えると、お骨揚げに参加せずに、ぞろぞろと帰ってしまいました。
呆然と立ち尽くす喪主。
あんまり気の毒だったので、私たちはお骨揚げに参加しましたが……葬儀で壊れた人間関係を、今後修復するのは相当難しそうです。
結婚したり独立したりして、親とは別に暮らし始めたり、同居していても、30を過ぎた頃から、冠婚葬祭、特に葬儀に出会うことが増えますから、『冠婚葬祭事典』を一冊買って、家に置くとよいでしょう。
結婚、葬式、お祝い、お見舞い、お礼……何かあるたびに、あたふたして人に訊いて回るのもみっともないし、訊いた相手にも迷惑がかかりますから。
私は結婚と同時に、講談社の『塩月弥栄子の冠婚葬祭事典』を買いました。
塩月弥栄子さんは茶道裏千家家元の長女で作法の専門家。
この15年、冠婚葬祭のたびに、この本に助けられてきました。
しきたりの本は多少昔のものでも使えるので、おすすめです。
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2006年07月11日
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