死期が迫り、すでに食事はできない状態と聞いていた。
そんな彼女をどう慰めようか。
駅前で待ち合わせした友達と、お見舞い品を探して炎天下の商店街をさまよい歩いた。
結局、彼女には花束を。
介護で疲れた彼女の夫と娘を励ますために、様々な種類のミニカップのアイスクリームを買い、持って行った。(詳細は『あまりにも早すぎる死』にて)
彼女は喜んでくれたけれど……本当に、あれでよかったのか、今も考え込むことがある。
この本はお見舞い好適品カタログ。
著者は近世史家でワイン・コラムニスト。
30代にして「お見舞いの達人」。
その経験を生かして選んだ66品を美しい写真で紹介している。
お見舞いの定番「桐箱入りマスクメロン」「現金」。
気が利いているとほめられそうな「パジャマ」「スリッパ」「ミネラルウォーター」。
こんなもの持ち込んでいいのか「鮃の縁側の握り」「うるか」「シャンパン」。「ロト6」。
30代でお見舞いの達人……それだけ周囲が病人だらけという意味で、よく考えると、これはとても不吉なことだ。
『病気というものは、実は見舞う側にも結構ショックなもの』と著者は書いているが、「お見舞い」にまつわる青黒い禍々しさを、ページ左半分の美しい写真と、右半分の近世史家らしい古風で洒脱なコラムが和らげている。
お見舞い品の紹介の他に、一般的なお見舞いのマナー、禁忌、病人に負担をかけない細かな配慮なども書かれていて行き届いている。
さすがは「お見舞いの達人」。
もう少し前に、この本に出会っていたら、もっと彼女の気持ちに寄り添ったお見舞いができたかもしれない。……今もそんな考えが、ふと頭をよぎる。
『お見舞い道楽。これ、どうぞの心持ち。』 高山宗東 著 ワールド・フォトプレス
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