白塗りの顔に黒い太眉毛、おちょぼ口に口紅を塗ったお調子者の殿様が、真面目な家老をからかったり、若い腰元を集めて乱痴気騒ぎをしたりして、なんだかとても楽しそうだ。
「名君」、『水戸黄門』も悪くないが、あの方は旅ばかりしているので、やっぱり『暴れん坊将軍』こと徳川吉宗かな……
これほどまでに「殿様」イメージはテレビの影響が強い。
さて、実在の『バカ殿と名君』は……全国各地の江戸時代300藩の殿様を実際に検証したのが、この本。
元禄時代の郡名を入れた県別の江戸時代の地図、大名の系譜もついている。
現在の47都道府県のうち、33の県庁所在地が安土桃山・江戸初期の城下町だったことに着目し、「なぜ、その場所に城を築いたか」の謎解きもされていて面白い。
そこで『暴れん坊将軍』だが……『徳川十五代を格付けする』によると、徳川吉宗は幕府財政を立て直すために、倹約や新田開発、米の価格統制、増税をしたが、結果的には年貢米の価格下落で財政を疲弊させた。
新技術導入や人材登用も偏りがあり……ダメやんか。
この頃現われた「名君」、上杉鷹山(米沢藩)や細川重賢(肥後藩)が行なったのは倹約と米に頼らぬ殖産興業、教育振興、人材登用……
吉宗の政策とは、わずかな違いなのに。
しかし「では徳川吉宗はバカ殿か」というと、そうでもないところが面白い。
幕府が財政逼迫をそれほど問題視していなかった時期に、財政を再建しようとした先見の明(急進性ともいう)と、方法は少しずれていたが政策の実行力、政治的手腕は「名君」らしい。
著者は現在の「殿様」、都道府県知事や市町村長の評価基準として「その地域の現状のから解決すべき優先課題を正確に把握」「問題解決の正しい施策を立案」「施策実行の政治力」をあげる。
上杉鷹山や池田光政のような人徳もある「完璧な名君」への道は遠い。
『江戸三〇〇藩 バカ殿と名君』 八幡和郎 著 光文社新書
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