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2011年08月30日

平成23年の火祭り

今年もやってきました。
 
 
北摂地域の夏の終わりの風物詩。
豊中・池田ケーブルテレビの特別番組『平成23年がんがら火祭り生中継!』。

江戸時代から360年以上続く「がんがら火祭り」は大阪府無形文化財。

池田の人たちが建立した池田愛宕神社。
京都愛宕神社を勧請して建立された星の宮神社。
毎年8月24日は、この二つの火の神様を祀る神社の氏子たちが、家内安全を願って、同時に池田市内で繰り広げる火祭りの日。

城山町地区(池田愛宕神社の氏子)の人々は、池田の五月山西側に、池田愛宕神社の御神火で「大一」の火文字を点火。
黒の大工装束の男衆が、御神火を点した大松明を担いで、半鐘や八丁鐘を「がんがら」と鳴らしながら、池田市内を練り歩きます。

一方、建石町地区(星の宮神社の氏子)の人々は、京都愛宕神社からいただいた御神火で、五月山東側に「大」の火文字を点火。
子供たちが火を点した松明をかかげて、五月山から星の宮神社まで下り、御神火をお納めします。

今年の火祭り生中継は、例年通り、司会は同じ女性タレント。
解説者に城山町の「大一文字がんがら火保存会広報係」の男性と、建石町の「大文字保存会役員」の年配者。
昨年から両方の解説者が揃って、豊中市民の私にもわかりやすい番組構成になってきました。

ここで、最初のゲスト、池田青年会議所理事長が登場。
同じ日に池田市役所付近で行なわれる「いけだ・いらっしゃいフェスティバル」を宣伝。
地元の商店もがんばっているようです。

さて、いよいよ「がんがら火祭り生中継」のスタート。
まず、去年の映像のダイジェスト。
……「去年と今年の祭りを比較してほしい」という意味なのかな。

次に、地図を使っての城山町の「大松明巡行」のルート説明。
五月山山中の池田愛宕神社の御神火で、五月山西側の中腹に「大一」の火文字を点火。
その後、御神火を点した小松明が山を下り、池田旧市街「油かけ地蔵前」で大松明に火が移されます。
そして、池田市内を巡った大松明は、最後は池田城公園の近くにある愛宕神社分社に納められます。

続いて、建石町の「子供松明」のルートの説明。
京都愛宕神社の御神火で、五月山東側の中腹に「大」の火文字を点火。
その後、御神火は五月山ふもとの「山の家」で待機していた子供たちの松明に移され、池田市内を巡り、星の宮神社に納められます。 

よく考えると、町中を火のついた松明が大量に移動しているわけですから、火事が起きないのが不思議ですが。
毎年無事に火祭りが行われています。
さすがは火伏せの神事。

この番組は、昼間に撮ったVTRと夜の生中継で編集されている番組です。

最初のVTRは池田愛宕神社の「御神火の神事」。
五月山は修験道の山なので、この神事は山伏が行います。

直径2メートル近くの高さまで積まれた柴の山の前で、山伏が空に向かって矢を射る、刀を抜き払って真言を唱えるなどのお祓いの儀式を行った後、宮司が祝詞をあげ、山伏が柴の山に点火。

めらめらと燃え上がるオレンジの炎。
もうもうと立ち昇る白煙。

この御神火が大松明に移されて、池田の町を巡るのです。

次のVTRは星の宮神社。
青いハッピ姿の建石町の子供たち110人が境内に集合。
御神火は、子供を含めた建石町の代表者が、5月に京都愛宕神社からいただいたもの。

年長の子供たちが叩く八丁鐘「カンカン、カンカン、カンカラカンノカンカン」のリズムが境内に響き、「子供松明」がスタート。
先頭は八丁鐘を鳴らす年長の子供たち。
その後に火のついていない竹の松明を持った幼い子供たちが、親につきそわれて歩いていきます。

ここで、星の宮「大文字」の火文字と、池田愛宕神社「大一文字」の火文字の説明。
「大文字」は図面、「大一文字」は模型での解説ですが。
いずれも、急な山の斜面にカマを設置して薪を燃やす大変な作業です。

星の宮「大」文字の点火映像が流れた後、暗い五月山中腹に赤く輝く「大」の字が現れました。
きれい。

場面は変わって、池田愛宕神社の映像。
緊張した面持ちの黒い大工装束の若衆が、神主のお祓いを受けた後、小松明に御神火が移され、「大一文字がんがら火」がスタート。

この後、城山町の親子が「子供松明」を楽しそうに作る風景の録画が流れ、城山町の子供松明と建石町の子供松明を実物で比較。
建石町の子供松明の方が城山町のものより短いけれども、安全面では工夫されています。

「大松明」を先導する城山町の「子供松明」は黒の大工の腹掛け姿の子供たち。
建石町の「子供松明」は青いハッピ姿の子供たち。
これは見分けやすい。

五月山西側中腹の美しい「大一」の火文字の映像が流れた後は、2組目のゲスト登場。
倉田薫池田市長と渡辺千芳池田市議会長。

「がんがら火祭りをテーマにしたドラマを作り、全国にPRしたい」と壮大な夢を語ります。
倉田薫市長は有限実行の人だから、「がんがら火祭りドラマ」、実現しかねないですね。

さて、城山町のがんがら火は……

五月山ふもとの油かけ地蔵前。
御神火は若者が担いできた小松明から大松明へ。

大工装束の男衆が、勇ましい掛け声とともに、大松明を持ち上げます。

暗い路地を照らす鮮やかな赤い炎。
飛び散る火の粉。

大松明が2本、すっくと立ち上がり、先端がUの字状の武器「さすまた」で上部を固定されて「人」の字が完成。
今年の松明は4本。
一対で2基。

長さ4メートル、100キロある大松明を「人」の字に組み合わせたまま、人間が担いで町を練り歩くのです。

模型を使った城山町の大松明の説明と松明の製作現場VTRの紹介。
……ものすごく手間のかかる松明作り。
8月24日に燃やすためだけに作られるところが、伝統行事らしい。

場面は変わって、建石町の火祭り。
「山の家」で待機していた子供たちが、一人ずつ自分の松明に火を移してもらいます。
広場を埋めつくした炎の群れが、暗い山道を列になって降りていく。
150メートルの炎の行列が、山のふもとから池田の町に続いていきます。

一方、池田旧市街の中継。

城山町の「大松明」。
「子供松明」に先導されて、ゆっくりと進みます。
松明を持ち上げる人、綱で松明を引く人、さすまたで松明を固定する人……熱さをものともせず、黙々と松明をかつぐ男たち。
かっこいい。

その頃、建石町の子供たちは星の宮神社へ。

境内の「大」の字に並べられた竹の松明。
そこに火を移した後、松明を神前に納める。
星の宮神社の火祭りは、これで終わり。

子供は110人。
竹の松明は37本しかないので、火をつけられずに残念そうな顔の子も。
そんな子供を慰める母親もいて……。

子供たちにとって、いい思い出になりますように。


そして、池田市役所前大通り。
大松明が到着……

ここで城山町の火祭りの見せ場。
降り注ぐ火の粉にもひるまず、男衆たちは2基4本の松明を一つに組み合わせます。

パチパチと音をたてて舞う火の粉。
めらめらと燃える炎。
激しくたちのぼる黒煙。
通りを埋めつくした人々の歓声と拍手。

この後、松明は横倒しにされ、新たな松明に火を移されます。
ここで大松明の担ぎ手、大工装束の「がんがら火保存会」の会長と副会長のインタビュー。

首に祭りのタイムスケジュール表をかけている副会長は「担ぎ手の息が合わないと、大松明はうまく動かせない。人数が多ければ、どんどん進めるというわけじゃないんです。」と苦笑いし、精悍な表情の会長は「毎年、少しずつ担ぎ手の顔ぶれが違うところが、がんがら火の面白さです」と語ります。

なるほど。見る方は、毎年同じように松明を担いでるように思うけど、担ぐ方はそうじゃないんだ。

やがて、大松明付け替えが終了。
家内安全のお守りになる「消し炭」を拾うために、暗い路上に殺到する人々を残し、4本の大松明は市役所前から去っていきました。

最後に愛宕神社に大松明を奉納する映像が流れた後、「今日の終わりは来年の始まりです。豊中市・吹田市の皆さんも、来年はぜひお越しください」という司会の言葉で、番組は締めくくられました。

毎年趣向を抱える生中継。
来年も楽しみです。
ラベル:祭り 池田市
posted by ゆか at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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