バラエティーグッズ、クラフト、ステーショナリーと3つのフロアに分かれた品揃えのよい店です。
ここで気になるのは、ハンズが今年初めて作ったオリジナル手帳用紙。
この数年、ハンズはオリジナル手帳に力を入れてるんですが。
力を入れすぎて手帳の製造に飽き足らず、ついに手帳用紙の自社生産に乗り出したわけですね。
手帳用紙業界では、システム手帳のダヴィンチのリフィルや、ほぼ日手帳に採用されている「トモエリバー(巴川製紙所)」、デザインフィル(旧ミドリ)の「MD(ミドリ・ダイアリー)用紙」「DP(デザインフィル・ポケットブック)用紙」などが有名ですが。
そこへ新興勢力として東急ハンズが乱入。
……面白いことになってきた。
手帳売り場に備えつけのカタログ『hands+ diary catalog 2012』によると、この手帳用紙の特徴は……
紙の密度が高いため、裏抜けしにくく、にじみにくい。
「紙色」は蛍光染料を使わない目に優しいクリーム色の紙。
細かい字が書きやすい表面加工。
あらゆる筆記具に適した「強度」。
従来のハンズオリジナルダイアリーより薄く、15%軽量に……
「前の紙が分厚かったんとちゃうんか?」と疑問を持たれた方もおられるでしょうが、それはさておいて。
システム手帳リフィルが売ってたら、買って家で試すつもりでしたが、残念ながら、この用紙は綴じ手帳限定。
幸い、売り場に試し書き用の紙と筆記具が備えつけてあるので、試してみることにしました。
手帳用紙のチェック項目は「手ざわり」「紙のコシ」。「書き味」「紙の色とインクの色の相性」。
「乾ききらないインクが重ねた紙につくか」「書いた文字が裏側に透けて見える裏写り」「インクのにじみ」。
それにしても、「あらゆる筆記具に適した強度」を豪語してるくせに……。
試し書き用のペンは、パイロットの油性ボールペン「アクロボール」と、パイロットのシャープペンシル「レックスグリップ」と、パイロットのゲルインキ・ボールペン「フリクション・ボール」しかないとは。
なんだかパイロットの回し者みたいだな。
呉竹筆ペンとかセーラーの万年筆とか、ペんてるのサインペンとか三菱鉛筆uniとかも置いてほしかったんだけど。
まあ、愛用の油性ボールペン、パイロットの「カバリエ」と三菱鉛筆「ジェットストリームは手元にあるので、書き味を試せます。
それに、今持ってるシステム手帳には、トモエリバーの月間カレンダーリフィルと、DP用紙の方眼罫メモリフィルもあるから、紙質も比較できる。
まず紙の色と質。
トモエリバーやDP用紙に比べると、ハンズオリジナル手帳用紙は、ちょっと厚めで艶があります。
クリーム色のトモエリバーより若干黄色く、パリパリした質感の硬い紙。
書き心地は……まあまあ。
裏写り、裏抜けはなさそうだけど。
試し書き用筆記具にはない、水性ペンのスタビロ「ポイント88」やマジックインキで書いた場合、どうなるのかはわからない。
くっきり字を書いた跡が裏に写るのは、私の筆圧が高いせいでしょう。
3つの手帳用紙の質感は……。
DP用紙が「やや青みを帯びた白いトレーシングペーパー」。
トモエリバーが「薄いクリーム色の和紙」。
ハンズオリジナル手帳用紙が「クリーム色のハトロン紙」
……そんな感じですね。
ハンズは、もうちょっとがんばりましょう。
でも、長年紙文具を扱ってきたデザインフィルの「DP用紙」と、歴史ある製紙会社が開発した「トモエリバー」が相手じゃ、致し方ないかもしれません。
文具メーカーや製紙メーカーに比べると製紙技術が十分でない中、東急ハンズが初年度で、この水準のオリジナル手帳用紙を開発できたことが驚きでした。
今後も手帳用紙戦争、目が離せませんね。
ラベル:手帳