先日、珍しく半日の空き時間がとれた。
衣替えをしたいが、セミナーの案内が来ている。
どちらを選ぶべきか……。
結局衣替えをしてしまったが、「セミナーでいい出会いがあったかも」と思うと、自分の「決断」は正しかったのか不安だ。
この本の著者は京都大学客員準教授。
専門はディベート論を使った問題解決。
今回の「セミナーか衣替えか問題」を、著者のディベート論を応用した「決断思考」で検証してみよう。
元々ディベートは、「正解」ではなく「今の最善解」を導き出す手法で、この場合は「衣替えかセミナーか」ではなく、「今、衣替えをするか否か」を考えるそうだ。
「今、衣替えをする」のメリットとデメリットを比較すると……
分析するメリットの条件は3つ。
内因性(今何らかの問題があるか)、
重要性(問題の深刻さ)、
解決性(その行動で問題が解決するか)。
デメリットの条件も3つ。
発生過程(その行動をとった時に別の問題が発生するか)、
深刻性(発生した問題は深刻か)、
固有性(現状ではそのような問題が発生していないこと)。
「衣替え問題」のメリットを検証すると……
内因性「10月半ばなので、そろそろ冬物衣料と夏物衣料を入れ替えておきたい」。
重要性「週間天気予報によると、来週半ばに突然気温が下がる。しかし、当日冬物を出せる時間的余裕がない」。
解決性「今、衣替えをすれば、来週気温が下がっても自分と家族の健康が守れる。今回、衣類を「春夏秋冬」の分類から「適用気温」ごとの分類に変えるので、今後は気温の変化に合わせ、短時間で衣替えができる」。
デメリットは……
「衣替えに半日かかるのでセミナーに行けない」。
深刻性「貴重な情報や出会いのチャンスを逃すかもしれない」。
固有性「興味のないテーマなので、貴重な情報や出会いのチャンスがある確率は低い」。
……結局、「今、衣替えをする」は最善解だったらしいが。
論理的に「決断」するのは、つくづく大変なことだと思った。
『武器としての決断思考』 瀧本哲史 著 星海社新書
ラベル:ディベート
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ご自分の日常の問題解決を、この手法を使うことで、紹介してしまいますか。さすがですね(笑)
衣替えに半日かかる衣替えに半日かかるなんて、どれだけ衣装持ちなんですか。