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2011年11月22日

2011年のGマーク

さて、今年もグッドデザイン賞が発表されましたね。

例年なら、10月初旬に大賞と金賞以外の賞が発表されて、グッドデザイン大賞と金賞のみ11月初旬発表なんですが。
どういうわけか今年は、大賞と金賞だけでなく、特別賞の発表も11月9日になりました。

……なんだろう。
この変化は。

10月半ばに、『ventus』でグッドデザイン大賞の予想をするのが恒例でしたが。
今年は大賞予想ができなくて残念。

それはさておき、今年のグッドデザイン賞は応募が3162件、受賞が1112件。

そのうち、海外企業の受賞が163件。
タイが61件、韓国が39件、台湾が26件。
日本のモノづくりのライバルの国々の受賞が多いですが。
中国が1件だけなのは、予想外だな。

今年は東日本大震災復興支援のため、東北6県と茨城県に本社を置く事業所の応募は、審査費用や展示費用が免除されています。
都道府県別の受賞件数は、青森県4件、岩手県12件、宮城県9件、秋田県6件、山形県3件、福島県2件、茨城県2件。
岩手県のがんばりが目立ちますね。

では、特別賞各賞を順に見ていきましょう。

グッドデザイン・サステナブルデザイン賞は5件。
地球環境問題を踏まえ持続可能な社会の実現をめざしているものに贈られます。

賃貸長屋「豊崎長屋」(公立大学法人大阪市立大学)は、家主・大学・学生・住民が協力して90年前の長屋群を改修。
住まいと町を再生させる取り組み。

山の斜面をコンクリートで固める代わりに木の根に似た「人工根」を土壌に埋め込み、がけ崩れを防ぎながら森林を守る斜面安定化工法「ノンフレーム工法」(日鐵住金建材株式会社)

インドのコットン農家を貧困から救い、オーガニック栽培に移行できるよう、アパレルブランド、小売店、消費者などが一体で支援するプロジェクト「プレオーガニックコットンプログラム」(株式会社クルック+伊藤忠商事株式会社)

国内で100%調達できる米ヌカ油を使ったオフセット印刷用インキ「Non Voc ライスインキシリーズ」(東洋インキ株式会社)
GPSや通信機能を持つ自転車をターミナルで貸し出す「サイクルシェアリングのプラットフォームデザイン」(株式会社NTTドコモ)

中小企業の受賞対象で優れたものに贈られる中小企業庁長官賞は8件。

完全防水万能ゴム長靴「トラクターシューズロング」(株式会社マルカツ)
純国産のドライカーボンフレーム製、黒い車体の美しい車椅子「ヴォルテックス」(日進医療器株式会社)
米ヌカ製の蝋を100%使用。環境にも人にも優しい和ろうそく「お米のろうそく」(有限会社大與)

10リットルの水を運べる超撥水風呂敷「ながれ」(朝倉染布株式会社)
デザイナーのアイデアと鍛冶屋の技を併せ持った家庭菜園用の鍬「デザイン農具「踏み鋤」」(株式会社相田合同工場)
伐採しても10年後に再生する日本独自の資源「漆」。
生産量日本一の岩手の漆を利用した「浄法寺漆」(浄法寺漆産業)

握りやすく、刃具(タップ・リーマ・ドリル等)を、側面からしっかりつかめるグリップハンドル「グリッパー」(株式会社ニシムラジグ)
自然と調和するデザイン。
傾斜状の敷地に低い三角屋根が連なる美しい新社屋「株式会社スノーピーク 本社」(株式会社スノーピーク)

地域経済の活性化など、経済・社会の発展に寄与するものに贈られる日本商工会議所会頭賞は1件。

「九州ちくご元気計画」(筑後地域雇用創造協議会)は、50人のデザイナーが参加。
「デザイン力」を武器に、筑後地域の雇用創出とブランディングを行う取り組み。

一般ユーザーが推薦できる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」は18件。

「モノ消しゴム」(株式会社トンボ鉛筆)
緑軸の定番「鉛筆8900」(株式会社トンボ鉛筆)
「ホルベイン透明水彩絵具」(ホルベイン工業株式会社)
ポートフォリオケース「ポータファイル」(フジコーワ工業株式会社)
木製玩具「学園積木」(自由学園工芸研究所)
「ハイグレード読書用ルーペ」(株式会社ニコンビジョン)

「実体顕微鏡SMZ」(株式会社ニコン)
「デジタルウォッチ(A168/DBC−610/LA670)」(カシオ計算機株式会社)
「腕時計 プロスペックス マリンマスタープロフェッショナル」(セイコーウオッチ株式会社)
「カメラ RICOH GRシリーズ」(株式会社リコー)
「BOSSコンパクト・エフェクター・シリーズ」(ボス株式会社、ローランド株式会社)

「食器 ねじり梅」(白山陶器株式会社)
「ジューサーミキサー MJ−M31シリーズ」(パナソニック株式会社)
「SL型石油ストーブ」(株式会社コロナ)
「オフィス用スツール 8110HZ/8110GZ」(株式会社岡村製作所)
「アーロンチェア」(ハーマンミラージャパン株式会社)
「お〜いお茶 緑茶」(株式会社伊藤園)
「蚊取線香 金鳥の渦巻」(大日本除虫菊株式会社)

……ほとんど知ってる商品。
身近にあるものばかりですね。

すべての受賞対象の中で、特に優れているものに贈られるグッドデザイン金賞は12件。

夏の節電で大活躍したLED電球「LDAHV4L27CG」(パナソニック株式会社)
マイクロバブル生成技術で湯気を抑制。
湿気が少ないためリビングに設置できる新型バスルーム「Sphiano」(株式会社LIXIL)
注目されている薄膜太陽電池「NS−F135G5」(シャープ株式会社)

漆黒の超薄型LEDテレビ「3D SMART LED TV UN55D8000、D7900、D7000」(サムスン電子株式会社)
螺旋構造を持たない「緩むことのないねじ」……「L/Rネジ(エルアールネジ)」(株式会社NejiLaw)

検査技師が使いやすいようにデザインした「臨床検査システムとそのデザインへの取組み」(シスメックス株式会社)
「汎用超音波画像診断装置 Vscan」(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)
電子聴診器「3MTM リットマンTM エレクトロニック ステソスコープ モデル3100/3200」(スリーエム ヘルスケア株式会社)

緑のツタに丸ごと覆われた建物。
技術、施設、装置、情報システムを一新。
患者やスタッフの負担を軽くした「新治療施設および重粒子線治療システム」(独立行政法人放射線医学総合研究所+株式会社東芝+株式会社日本設計)
手術用照明器「スカイルックス クリスタル」(山田医療照明株式会社)

間伐材製のケータイ「TOUCH WOOD SH−08C」のCM。
間伐材でできた巨大な木琴がバッハを奏でる映像「森の木琴」(株式会社NTTドコモ)
ゲームシステム「KinectTM for Xbox 360」(日本マイクロソフト株式会社)

これまでグッドデザイン金賞は、家電や車が受賞することが多かったんですが。
今年は節電やリサイクル、医療機器関連の受賞が多い。
何か流れが変わってきてるのかな。

そして、グッドデザイン大賞は、「東日本大震災でのインターナビによる取り組み「通行実績情報マップ」」(本田技研工業株式会社)

東日本震災翌日の3月12日から、HONDAのカーナビ「インターナビ」から収集したデータを活用し、通行実績情報を公開。
GoogleやYahooの地図と連動した渋滞情報は、大勢の被災者と支援者を助けました。

最後は、毎年楽しみにしているフロンティアデザイン賞。

新技術などの近未来に実現しそうな「まだ実現されていないものごと」に贈られる賞。

……「該当なし」
えっ!
該当なし? 

2009年の開設以来「該当なし」は一度もなかった賞ですが。
なんだか不吉だな。

今年のグッドデザイン特別賞を見渡すと「持続可能」「内向き」な印象。

東日本大震災、超円高、企業の海外流出。
日本経済の形は「高品質の商品を海外に輸出して稼ぐ」から「自給自足型」に変わるような予感がします。

そういう意味では、グッドデザイン賞も節目を迎えているようです。

これから受賞するものは、「商品」よりも「日本のための持続可能な取り組み」の方が増えるのかもしれません。

来年のグッドデザイン賞も目が離せませんね。
posted by ゆか at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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