「文具の使いこなし術」に焦点を当てた前著、『仕事にすぐ効く魔法の文房具』と違い、今回のテーマは「文具メーカーのこだわり」。
『ventus』の日常コラム文具系と似ているが、世界最高の日本の文具を語る上で「文具メーカーの歴史とこだわり」は欠かせないものだからだ。
消字率97%、世界一の消しゴム「レーダー(シード)」。
112年の歴史を誇り、北海道用の「寒冷地仕様」まである「ヤマト糊(ヤマト)」。
世界で初めて0.5mmのシャープペンの芯「ハイポリマー芯」を作り出したぺんてる。
市販のワイシャツを大量に買い集めてサイズを決めた「ダイヤメモ(デザインフィル)」……
文具メーカー恐るべし。
私の尊敬するデザイナー、柳宗理はこう言っている。
『良いデザインは優れたデザイナーのみでは生まれ得ない。その製品を作る企業者、或いは製造業者、その製品を販売する販売業者、そしてその製品を使用するユーザーが良くなければ、良いデザインはこの世に出現し得ない。』
よいものを作るには、「匠の心」を持つメーカー。
「お客さんに喜んでもらいたい」と努力する文具店。
そして、文具を愛し、常に理想を求め続けるユーザー。
この3つが揃わなければ、日本は「文具大国」にはならなかっただろう。
自らも厳しいユーザーでもある土橋さんの選んだこの本の文具とそのメーカー、どちらも魅力的だ。
『文具の流儀』 土橋正 著 東京書籍
ラベル:文具
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ありがとうございます。
永く愛されている商品には、かならず理由があるはずと思い、この本の企画がスタートしました。
各社を取材をして、やはり並々ならぬこだわりがあることがわかり、とても勉強になりました。