アメリカのジミー・ウェールズ氏が理事を務める非営利団体『ウィキメディア・ファウンデーション』が運営。
『多くの人が訂正加筆を加えて完成させていく新しい知識共有の文化』として注目されています。 『CNET JAPAN』2006年8月7日の記事によると、2006年に100万項目以上のエントリーがあり、Nature誌からも『自然科学分野では語情報が少ない』と評価が高い。
「ブリタニカが目標」で、ボランティアが毎日寄せられた大量の情報を元に執筆を続けているのですが……
情報の内容が必ずしも「正確」とはいえない。
日本経済新聞2006年9月9日のコラム『デジタル・スパイス』。
ノンフィクション作家の山根一眞氏が指摘されている、自著の『日本海海戦で使われた無線通信機に関する記述』の誤情報掲載問題。
ウィキペディアの誤情報問題で一番有名なのは、ケネディ兄弟暗殺事件についての誤った記述。
Web上では引用やリンクが容易なため、加筆訂正前の誤った記述が「真実」として固定されてしまうことを山根氏は懸念しています。
現在、ウィキペディアの記述をコピーして、学生がレポートを作成するケースが多くなっているそうなので、私も心配です。
実際にウィキペディアを使って、いくつかの単語を検索してみましたが、検索する単語によって情報の分量が極端に違い、中には『該当なし』まである有様……
こりゃダメだ。
「百科事典」としては発展途上。
ブリタニカへの道は遠いな。
とりあえず、自分自身の情報源リスト・ランクDにしました。
半年後に様子をみて、記述がもっと正確で緻密になっていたら、ランクづけを考え直すつもり。
ランクAに該当するのは書籍。
私も出版経験がありますから、著者と編集者が、掲載情報の正確性を求めて、どれだけ執拗に資料確認作業を繰り返しているか知っています。
ランクBは新聞・雑誌・企業のHP。
ランクCは口コミ。
これは必要に応じて、情報の「裏を取る」ことが必要。
……普通はそこまでしないらしいけれど。
活字の世界では、文章の末尾や本の巻末に引用した参考文献を、リストにして載せるのが通例で、Webサイトの情報も参考資料に準じた扱い。
しかし、Webサイトは情報の更新が早いですから、今後は「どの時点でのサイト情報を参照にしたか」を明確にするような、参考引用ルールが必要になると思います。
Web上であふれかえる情報。それを使いこなすためには情報収集技術が必要……
まあ、確かにそうなのですが、情報をたくさん集めるだけではダメですね。
今、私はGoogleを使って、早く正確な情報を集める方法を勉強中。
この分野、情報を多く集めるノウハウの本は多いのですが、情報リテラシーについて、体系的に学ぶことができる本がほとんどないので、とても困っています。
『情報リテラシー(information literacy)……情報を使いこなす能力のこと。体験やメディアを通じて得られる大量の情報の中から必要なものを探し出し、課題に即して組み合わせたり加工したりして、意思決定したり結果を表現したりするための基礎的な知識と技能の集合である』
(『IT用語辞典e―Words』)
大人の場合、自分の人生経験から、ある程度、情報の信憑性を判断できますが、子供たちは、情報に振り回されて無駄な時間や労力を浪費したり、間違った情報を信じ込んで、致命的な判断ミスをしたりするのではないか……
そんなことを心配しています。
情報リテラシー問題については、また別の機会に。
ラベル:ウィキペディア