例えば「ETF(上場投信:エクスチェンジ・トレイデット・ファンド)」。
「今一つわからんなあ。まあ、投信やらないから関係ないか」とつぶやいて読み飛ばしていたのだが……。
節税電子書籍を書くために税金のことを調べた時、自分の勉強不足を思い知らされた。
銀行や生保など「お金を扱う業界」の仕事もしたし、経理もやっていて、この方面の知識は多少あるつもりだったのに。
同じ「会社のお金を扱う仕事」でも、「経理」「税務」「財務」はまったく別物なのだ。
今、ファイナンシャルプランナーの勉強をしようと真剣に思っている。
消費税増税や社会保険料の引き上げが声高に叫ばれる時節なので、普通の人でも税金や金利、保険や投資の基礎知識は必要になるからだ。
私は個人事業主、一応「経営者」だから、「わかりやすいお金の入門書」といっても、「主婦向け財テク本」程度の断片的な薄い内容ではダメなのだ。
体系的でわかりやすく、しかもバランスよくお金の話を書いた入門書は、なかなか見当たらない。
この本の著者は「わかりやすい解説」で定評のある池上彰さん。
お金の歴史、日本銀行の役割、金利、株価、債権、保険、特別会計、中国のGDP、デフレとインフレ……正確な文章で、しかもわかりやすい。
年金加入が国民の義務になっている理由について。
「お金を稼げなくなって貯金のない老人が、みんなホームレスになって治安に悪影響を及ぼすのを防ぐため」という説明には、思わず苦笑してしまったが。
謎の「ETF」は、「投信信託そのものを、株式と同じように証券取引所で瞬時に売買できるもの」で、例えるなら「明朗会計のお寿司屋さん」」
……おお、そうだったのか。
こういう表現ができるようになりたいものだ。
しばらくは、この本を辞書代わりに使いながら新聞を読もうかと思っている。
『知らないと損する池上彰のお金の学校』 池上彰 著 朝日新聞出版
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