「酒席で酒を注がれる人」と「酒を注ぐ人」だ。
なぜか誰かが指示したわけでもないのに自然と役割が決まる。
昔から「女のくせに、お酒もきちんと注げないなんて。気が利かない」と叱られてばかりの私は、なんとか「酒を注ぐ人」になろうと、パーティーに出るたびに必死で周囲に目配りし、チャンスがあれば相手に近づいていって酒を注ごうとするのだが。
毎回先手を打たれてばかりで、結局「酒を注がれる人」になってしまう。
ひょっとしたら「酒を注ぐ人」よりも「酒を注がれる人」に向いてるのかもしれない。
幸い、名刺を出せば、相手が感心してくれる肩書きは持っているので、この際本格的に「酒を注がれる威風堂々たる人」を目指すことにしよう。
著者は「正統派ビジネススピーチ」の指導者でもある現役報道アナウンサー。
『エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』が副題のこの本は、単なるスピーチ技法の本ではなく、「肩書きにふさわしいふるまい」や、服装や名刺のデザインにまで言及している。
まず、相手に与えたい印象から逆算して話し方を決める。
好印象を与える3つの要件は「親しみやすさ」「活動性」「社会的望ましさ」で、この3つの配分を決めてから話し方を選ぶ。
私の場合は「親しみやすさ(間抜け)」と「活動性(鋭さ)」は生来のものだから、「社会的望ましさ(誠実、分別、知的)」を印象づける「低い声でゆっくり話す」を心がけよう。
言葉を正確に使い、語尾を下げて、「事実」と「感情」を分けて表現する。
絶えず動かない。
滑舌をよくする。
……これが私には必要らしい。
「受賞歴を持つ多機能な執筆者」として、どういう立ち居振る舞いがベストなのかは、これから考えるとして、とりあえず「興奮すると早口で声高になる癖」を直さなければ。
ただし、これは「常に周囲に目配りし、間髪を入れず酒を注ぎにいく」テクニックを習得するより簡単そうだ。
『その話し方では軽すぎます!』 矢野香 著 すばる舎
ラベル:スピーチ
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