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2012年07月14日

七癖(後編) 基礎と独学

どんなものでも、「我流はいけない」とされているんですが……

「お前の我流は、つぎはぎの技術やけど、きちんと本読んで実践してるから、利き腕しか使わんような、どうしようもない我流の癖はついてへん。意識したら修正は簡単や」

武道十三段の夫はそう言います。
実際、合気道をはじめてから、いくつかの我流の癖は修正できました。

でも「我流」……独学で研究した護身技術は、非常に役に立つので、捨てることができないでいます。

例えば、路上でバイクに乗ったひったくりと遭遇するケース。
狭い入り組んだ路地よりは、直線が長く続く、比較的幅のある道の方が危ない。

私は半径200mの範囲内に侵入してきた危険物なら直感的にわかりますが。
耳がいい人なら、近づいてくるバイクのエンジン音が、突然不自然に高くなった……と感じるでしょう。
ひったくりがバイクの速度を上げるのは、獲物を見つけた瞬間だからです。

「なんかまずいものが来た」と思ったら、相手がいる方向を見る。
この時、相手がひるんでスピードをゆるめるようなら、それは本物のひったくり。

私の場合は自転車で移動していることが多いから、すぐに自転車ごと歩道に移動して停車。
ガードレールがある歩道なら、なおよし。
ガードレールがあることで、「ひったくりに失敗したらガードレールにぶつかる」と、襲撃をためらわせる効果があります。

自転車籠から荷物を降ろし、待ち構えていると、結局、相手はあきらめて猛スピードで走り去る。
悔しそうに何度も振り返るのを、「ざまあみろ」と見送るわけですが。

……見送ってしまってから「しまった。何か合気道の技を使うんだった」と、いつも後悔しています。

しかし、この状況で合気道の技を使うとしたら、どんなタイミングで、どんな技が一番いいのか、いまだにわかりません。
……難儀なことです。

さて、話は元に戻って受身の話。

前回り受身の特訓がはじまりました。

「まず、左足を出して、左手を前に出す。頭を下げる。左腕と右手で大きな輪を作り、その中に頭を入れるように。そして、そのまま前方に、畳の目にそって、ゆっくりとまっすぐ転がり、力強く畳を叩き、そのまま立ち上がる……」

久しぶりだなあ。前回り受身の稽古。

「普通、有段者は、こういう稽古を嫌がるものですが。まじめですよね」

妙なことで先生に感心されながら、受身の稽古を続けます。

それにしても、大きくゆっくり受身を取るのは、転がるコンパクトな受身と違って、腕力や脚力が余分にいるらしく、かなり疲れる。

「うーん。合気道の受身って、ゆっくりやると疲れますよね」
「そうでしょうね。転がる力を利用しないですからね。合気道の受身は、それ自体が体力作りにもなるんですよ。ここは一つ、がんばってもらいましょうか」

にこにこしながら厳しいことを先生は言います。

稽古を続けているうちに、本来の合気道の前回り受身ができるようになりました。

「さすがに、癖が直るのが早いですね」

感心している先生ですが。

ここで、夫の宿題「受身の切り替えポイントを探す」を実験。
私はいつもの柔術に近い受身をやってみます

……あれ? 手のつき方が違う。

我流と合気道の受身の両方を交互に試しているうちに、気がつきました。

そうか! ポイントは肘か。

受身のために前へ飛ぶ時に、合気道の受身は肘を曲げませんが、我流の受身は肘を内側に曲げています。
しかも、軽く畳を叩く時に、畳を叩く位置で進む方向を微調整しているらしい。

移動距離が短く、スピードが速く体力が要らない我流の受身……

おそらく投げられて受身をしてる最中に、偶然この形の受身をとってしまい、自己防御本能(私の意思とは関係なく動く私の体の意思)が、「これ楽でええわ」と、すかさず採用してしまったのでしょう。
しょうがないなあ。
合気道の受身は、当面私が意識してやることにします。

「基本技を忠実にやることも大事なんですけど。それでは、ある程度までしか上達しないんですよ。自分の頭で考えることも大事なんです。……でも、合気道の稽古の時は、合気道の受身をやってくださいよね」

先生に釘を刺されて思わず苦笑いしましたが、ある意味、自分の体になじむ「型」……「我流を捨てろ」と言われないのは、大変ありがたいことです。
ラベル:合気道
posted by ゆか at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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