『5つの消し幅をもつ「消しゴム<ミリケシ>」に黒色が新登場』
……消し幅?
5つ?
「消し幅」というのは、変な日本語だけど、わかるような気がします。
字を一行分だけを消したい……
そう思った時には「消せる幅」が問題になってくるでしょうから。
しかし、わからんのは「5つ」ですね。
JIS規格では、そこまでノートの罫線の幅の種類は多くなかったはず。
なんのための5種類の「消し幅」なんだろう?
実は、この前の文具検定の練習問題の中に「JIS規格のノートの罫の幅」に関するものがありました。
確かA罫が7mm、B罫が6mmだったはず。
『株式会社キョクトウ・アソシエイツ ノートの雑学』で確認すると、やっぱり、A罫が7mmでB罫が6mmですが……
『近年はC罫(5mm)の製品も登場しています』とありました。
そうなると、最低でも「消し幅」は3種類。
残り2つは何?
ちなみに、JISの罫線の規格の正式名称は『JISZ8303 帳票の設計基準』。
驚いたことに、さまざまな帳票や書類の仕上げ寸法、用紙や印刷インクの色、文体や書き方、用字や用語、項目の配置、記入欄の大きさや余白、文字や罫線、綴じ穴や製本の仕方までが、規格が決まっているんですね。
しまった。
今まで適当にパソコンで書類フォーマットを作ったり、いいかげんにファイルに綴じたりしてたなあ。
もちろん、規格に従わないと罰則があるわけじゃないですが。
知っておいた方がいいかもしれない。
おそらく「書類作成上最も合理的なフォーマット」の一つじゃないかと思います。
で、肝心の「ミリケシ」に話が戻ります。
発売元の『コクヨS&T株式会社』によると、この商品は、文字のデザインが得意分野のヴィジュアルデザイナーの馬場雄二氏とコクヨが共同開発したもので、2010年グッドデザイン賞受賞。
罫線の幅に合わせて1行分の字だけ狙って消すための商品。
そうか。
私は鉛筆やシャープペンで字を書く時、間違って他の行の字を消さないように、あらかじめ字を書く時に1行ずつ空けたり、余白を大きめにとったり、字を小さめにしてたなあ。
皆さん、ノートにぎっしりと、隙間なく字を詰め込んでるんだ。
『A罫ノートには6mm幅、B罫ノートには5mm幅、C罫及び5mm方眼には4mm、手帳などの小さい文字には3mm、細かい部分にはカドと、5つの消し幅が選べます』
……なるほど。そういう使い方なのか。
私は最近、SEEDの「レーダー」と、ペン型消しゴムのトンボ「MONO zero」を使っています。
「MONO zero」の消しゴムの直径は2.3mmの丸型と、2.5mm×5mmの角型の2種類がありますが、私が使うのは丸型の方。
広い面積は「レーダー」で消して、「MONO zero」で細かい部分をピンポイントで消しますが。
この「ミリケシ」が80万個売れてるということは、「いや、私は罫線の幅によって使い分けたい」という人が多いんでしょうね。
「ミリケシ」については、さらに謎の記述がありました。
『黒色の消しゴムなので、消しゴムの汚れが目立ちにくくなっています』
私の持っている消しゴムは両方とも「白」。
確かに字を消すと、色のついた消しカスが出るし、消しゴム本体に色がつきます。
消しゴムは紙の上の色素を吸着することで字が消せるから、それはしょうがないと思ってたけど。
それを「不快な汚れ」と思う人の方が多いのか。
なんだか自分の感覚が変なんじゃないかと、だんだん不安になってきました。
ラベル:ノート