著者は将棋棋士の羽生善治さん。
2012年7月に生涯獲得タイトル数歴代一位になり、8月には史上5人目となる1200勝を最年少・最速でなしとげた。
通算勝率は7割2分3厘。
将棋では自分の指す手が勝敗を分ける。
完全自己責任のシビアな勝負の世界で、ずっと勝ち続けている強さの秘密はなんだろう。
将棋といえば、過去の膨大な棋譜を研究したり、何手も先を読んだりするデータ至上主義の世界のように思えるが、意外にも勝負は直感力で決まるらしい。
合気道の稽古では「勘が鈍い」のは致命的だし、仕事や日常生活でも直感が鋭ければ、さまざまな局面で人生が有利になりそうだ。
努力で直感が磨けるなら、ぜひ磨きたい……
そういう軽い気持ちで読むと、うちのめされるはめになる。
とにかく経験する、考える、勝負する、反省する。
ひたすらそれを積み重ねる世界なのだ。
その膨大な努力の末に直感が「降りてくる」らしい。
この本は、そこまで努力する方法が延々と書かれているのだが、やはり「勝ち続ける人」の言葉は重い。
『自分自身に拠り所を求める―その根底には経験を重ねることで蓄積され、かたちづくられた人生観や価値観といったものが横たわっているはずだ。それに基づいた選択がベストでなかったとしても、少なくとも自分のスタイルには合っているはずだ。だから、次にミスをする可能性も小さいし、ある種の心地よさも内包している』
私は直感に従った選択をするけれども、時々、世間的には「失敗」と見られる結果になることがある。
ただ、私自身は「大失敗だった」と悔やんでいることはない。
それが不思議で仕方なかったのだが、その理由がわかってほっとした。
自分の流儀を見つけて、それに合った選択をしていく……
覚悟は必要だが、後悔しない道かもしれない。
『直感力』 羽生善治 著 PHP新書
ラベル:直感
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