「社長のように鷹揚にふるまい、有能な社員のようにバリバリ仕事をこなす」が理想なので、経営の勉強と会社員の仕事術、両方が必要なのだ。
著者は『レバレッジ・シンキング』シリーズで有名な本田直之さん。
多くの会社員を見てきた彼が、会社員としての「幸・不幸の分かれ目」を36の視点に分けて解説しているのがこの本だ。
最初に出てくるのが36項目の「勘違いリスト」。
『ルーティーンワークを着実にこなす』とか『ひとつの会社に勤め続けるのが幸せ』などは、一見何が勘違いなのかわからない。
だが、経営者の感覚では「ルーティーンワークの削減は経費削減」だし、「経済が激変する時代だから会社の形態も変わり続ける」なのだ。
私が勘違いしていたのは「時間の常識」に関する項目。
『バリバリ社員は徹夜して仕事する』
……常々徹夜できる体力のないことを嘆いていたが、著者は『時間効率を上げようという概念がないのです』と、ばっさり斬り捨てる。
『優秀な人ほど忙しい』
……『「忙しい」とは、単に「仕事に流されている」状態だったのです』と書かれているので、ぎょっとする。
『休日は何もせずに頭と体を休める』
……何が勘違いなのかとドキドキしたが、『「リラックスのためにあえて何もしない」という「意味のあるダラダラ」ならば結構ですが、「やることがないから」という理由でのダラダラは、何の意味もありません』と書かれているので安心する。
仕事と家事と介護をかかえているので「やることが何もない」状況はありえないのだが、四十を過ぎて体力が落ちているし、時間をとってでも体を休めないと身がもたない。
『「会社員は不幸だ」「独立して一人で仕事を立ち上げられる人は幸せだ」単純にそう考えるのは間違いです』
……その通り。
どちらにも長所と短所があり、人によって向き不向きがある。
「独立せず会社員として楽しく仕事をしたい」と思う人にはおすすめの本だ。
『会社で不幸になる人、ならない人』 本田直之 著 日本経済新聞出版社
ラベル:ビジネスパーソン
【関連する記事】
- 『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』
- 『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』
- 『つくる仕事の一日』
- 『ずるい!ChatGPT仕事術』
- 『外資系コンサルが×AIのプロが教える 生成AI時代の「超」仕事術大全』
- 『ChatGPT攻略』
- 『実家スッキリ化』
- 『仕事でSNSを使いたいけど初心者の「やらかし」が怖いので弁護士さんに気になるこ..
- 『「AIクソ上司」の脅威』
- 『スピードも質も上がる!一生役立つ仕事術100』
- 『暮らしのヒント集3』
- 『インフレ・ニッポン』
- 『省エネのプロが教える みんなの節電生活』
- 『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』
- 『ウクライナ・ショック 覚醒したヨーロッパの行方』
- 『すぐやる人のビジネス手帳術』
- 『最新版 定年までに知らないとヤバイお金の話』
- 『キーワードでまるごとわかる投資の教科書』
- 『人生が変わる紙片付け!』
- 『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』